Answer 6 

少しだけ時間が進みます。

間違いではないので驚かないでください!





つくしが部屋から出ると、タマは名残惜しそうに呟いた。

「この先どんなことがあっても、顔見せに来ておくれよ、あんたの顔を見るくらいしか楽しみがない」
「先輩ったら…」

いたたまれずに挨拶をして外へ出る。
プライベートエアポートへ向かう足取りは軽いようでいて重い。
大好きな男と久々の再会だというのに、どんな顔をして会えばいいのかと複雑な心境だ。

知らされた時間を少し過ぎたあたりで、黒い影が空から近づいてくる。
いよいよ司が日本へ降り立つ。

つくしは拳をギュッと握って覚悟を決める。

影はみるみるうちに大きくなり、吸い込まれるようにして着陸態勢に入る。
ゴォォという大きな音とともに機体が地面に吸い付き、やがて動きを止めた。

タラップがゆっくりと開くと、大きな男がひとり降りてきた。

その男はまっすぐにつくしに近づき、やがて50cm前で動きを止めた。

「よぉ」
「おかえり」

男は嬉しそうにつくしの頭をクシャリと撫で、ゆっくりと引き寄せて抱きしめる。
懐かしい匂いと温もりに、つくしは全身の力が抜けていくのを感じていた。

「おい、ちゃんと食ってるのか?ますます貧相になってるぜ?」

言葉は乱暴だが、つくしを包み込む空気は優しく温かい。

「大きなお世話だよ、あんたみたいにギトギトしたものなんて食べてないから健康そのものだっつーの」
「うるせぇ…」

会話を遮るようにして司はつくしの唇をふさぐ。
夢にまで見た再会。
約束の4年までまだ時間は残されているが、離れ離れになったふたりが心穏やかに過ごせる時間が持てたことをお互いに感謝していた。

「さ、行こうぜ」
「え、どこへ?」
「どこへでも!」

司は強引につくしの手を引き、用意されていた車の助手席につくしを押し込むと、自分は運転席に乗り込んでエンジンをかけて車を走らせた。

「あんた…10時間以上飛行機に乗ってたくせに…ひとやすみもしないで…元気だね」
「あ?なめんな、こんなの余裕だ」

短い時間だったが、こまめに連絡を取り合っていたこともあって、語り合うほどの近況もない。
ただお互いの存在を確かめるように、どちらからともなく触れるだけだった。

「どこ行くの?」
「まああれだな、庶民デートってやつに」
「はぁ?あんたがコースを考えるの?」

司は黙ってつくしの手を握り締める。
どこへ向かうのかはわからないし聞いても教えてはくれないだろう。

この4日間、つくしは後悔しないようにといろいろな意味での覚悟は決めている。
どこへ行っても、何をするにしても、司の言うとおりにしようと決めていた。
司を傷つけることになっても、この休暇は自分の気持ちに正直になるつもりだ。

どれだけ車を走らせただろうか。
つくしにはすでに走っている場所も方角もわからなかったし、いつまで走るのかもわからない。
窓を開けると、かすかに潮風を感じた。
どのあたりなのかはわからないが、海を目指しているようだった。









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2 Comments

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2018/11/09 (Fri) 07:22 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

こんばんは。
スリーさんが踊り狂っているのが見えます(笑)

書いてるときは、こんなこと書いても平気なんだろうか、とか思いましたけど、書いてしまったもんはしょうがない、くらいに開き直ってて、すでに面白がってる自分がいます(爆)
こんなに悶絶してくださると書いてるこっちは嬉しくなりますね。

さーて、明日はどんな風に悶えてくれるのかな????

楽しみにしています(コラ)

2018/11/09 (Fri) 19:22 | REPLY |   

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