停止処分者講習物語 午後の部 




クソつまんねぇ講習が30分ほど続く。
配られたテキストを見ても暗号にしか見えない。

目の前のオッサンの言うことはごく当たり前のことで、今までもこれからも守るのが当たり前だ、と思いながら睡魔と戦っていた。

「では講習は以上になります。今から30分、テストを受けていただきますね」

来やがったな。
隣のオッサンはテストという言葉に参ってる様子で、頭を抱えてる。

フン、テストなんてラクショーだ。
オレ様を誰だと思ってる。
教習所での成績は抜群だし、過去には模範卒業生として運転を披露(バイクだが)したことだってあるんだぜ?

やべぇ…

なんだこの問題…。
オレだけ難易度マックスな問題をやらされてるんじゃねぇだろうな…

※実際には直前の講習でやったことばかりなので間違えることはほぼない。

ただこのテストを受けないともはや帰れないところまで来ているし、待合いではカワイイ牧野がひと皮剥けたオレを待ってる。
剥くのは得意だが…
いや、そうじゃない。

とにかく必死で解き、地獄のような30分はあっという間に過ぎ去った。

「それでは次にシミュレーターによる講習に移ります」

別室にあるパソコン画面にハンドルがついたような機械でシミュレーションするようだ。
ハンドル操作と反射神経を測定するらしく、こんなのは楽勝だ。

「はい、皆さんこちらは大丈夫そうですね。では次のシミュレーターに移動します」

ほう…なかなか面白そうじゃねぇか。
牧野に連れて行かれたゲーセンで幾度となく遊んだレーシングマシーンのような物体。
これまでの茶番はこのマシーンのたどり着くまでの余興か!(違います)

ズラリと並んだマシーンに乗り込み、準備が終わっていざシミュレーション開始。

なんだこれ…。

オレのドライビングテクニックにマシーンが全くついてこない!!
アクセルをふかしても、ハンドルを左右に切っても反応が鈍い。
イライラはするしなんだか気持ち悪くなってきた。

微妙に気分が悪いままシミュレーションが続くが…

オレ、いったい画面の中で何人轢き殺したんだ…??

ここまで来るともう轢き殺した人数で得点稼ぎだ!とか意味不明なことを考え始めるほどオレのサンハンキカンはぶっ壊れたようだ。
出てくる人間すべてを轢き殺す。しかも時速30キロ。

フン、楽勝だ。

楽勝なんだが本格的に気分が悪い。
気合いでどうにかなるような状態ではなさそうだ。

不本意だがオッサンに気分が悪い旨を伝えて牧野の待つ待合いに戻り、少し休んだところで結果を伝え誓約書を書いてもらうという説明があり席を立つ。

このころには気分もよくなり、適正テストを受けた部屋へ。

ところがだ。
他のオッサン達はテストの結果と誓約書を受け取って次々に部屋を出るのに、いつまでたっても結果も誓約書も渡されない。

部屋にオレとセンターのオッサンだけが残ると、オッサンがオレの前に立ち、ようやくテスト結果を手渡した。








フザケンナwwwww



******




「免停になったことないからわかんないけどさ、いるんだね、不合格になる人って」

完全に面白がってるだろ、牧野。

「よくこの状態で路上を運転できてたよね。世の中の為に免停になって本当によかったよ」

あまり大声じゃ言えねぇが、中等部の頃から運転には自信があった。(※運転は18歳になって免許を取ってから)

「で、どうするの?もう一度講習受けるの?」
「ほっといても1か月で復活できるんだし、来ねえよこんなとこ」

誰が不快な思いをしてまでたった1か月の為に再講習なんか受けるかよ。

「ホントに行かないの?」
「行かねぇよ。それに試験場の都合に合わせて仕事を放り投げるわけにもいかねぇだろ」
「そっか…まぁ仕方ないよね」

どうにか仕事の都合をつけて、胸糞悪い講習を再び受けるなら、運転自体をしないほうが楽に決まってる。

「ところで次の更新、年が変わってからだよね?」
「ああ、そうだな、次の誕生日前後にまた更新だ。めんどくせぇな」
「あちゃー、じゃ、ゴールド免許はおあずけだね」



ゴールド✨じゃなくなる…??



「おいっ!オレ様にゴールド以外の色なんて似合うわけねぇだろ?な?そうだろ?どうなんだ?」
「いや、似会うとか似会わないとかじゃなくて…」
「ゴールドじゃなきゃ何色なんだ?」
「普通にブルーでしょ」
「青だって?そんな庶民色オレ様の免許証にふさわしく…」
「いやいや、免停食らっておいてゴールド免許もらえると思うほうがおかしいから」
「おい西田!警視総監に電話だ!オレの免許証が青になるとはどういうことかきっちり説明しろと伝えておけ!」
「司様…そもそも最初からゴールドではございません、現に今…」
「つべこべ言うな!ゴールド以外の免許はいらねぇ!」

そんな光景を半ば諦め気味、冷めた目で見ていた牧野が

「西田さん、道明寺の歴代免許証ってどこかに保管してあります?」
「ハイ、更新でパンチされた免許証と二輪取得時に不要になったものは私が常に持ち歩いて保管してございますが…」
「そのふたつ、見せてあげてください、それとアンタは今の免許証出して」

ハイ、とため息をつきながらバッグから何かを出す西田。
そして無表情の牧野。

そして西田がオレの目の前に差し出したふたつのモノ…。

「な…なんだこれはっ!!」

超絶イケてるオレの写真…の横に入る

のラインとのラインの入った免許証だった…。

チクショー、こんなのオレ様が持っていたなんて…。

今の免許はさっき出して確か財布に…



ぬおおおおおおおおおおおお




こんなもん堂々と身分証明書として持っていたなんて!!

「オイ西田!道明寺印刷の責任者を連れて来い!こんなモノも持っていられるか!」
「司様、道明寺印刷の責任者を呼んでいかがなさるおつもりでしょう?」
「決まってるだろ!この忌々しい青色をゴールドに…!」
「それは偽造でございます…免停どころの話では…」
「うるせぇ!一刻も早く呼べ!」

センターの入り口付近にはオレの美しさに大勢の人間どもが集まっていた。

そして人だかりをかき分けるようにしてひとつのちっせぇ影がオレの前に…

「キ、キムタク…!」
「ああ、道明寺君。久しぶりだね」
「なんだてめぇっ!」
「ボクはこれでも教習所の責任者だよ?試験センターに出入りしてたって不思議はないよ」
「クソッ、なんなんだよ💢」
「おや、パンチ済みの免許証だね…こっちは…?」
「バッ、勝手に見んじゃねぇ!」

「いや~君に似会う爽やかな青だね♪更新までまだだいぶありそうだし…そうかそうか…しばらく爽やかな青ってことか」




キムタクめ💢 マジでブッ殺す💢💢





fin





あとがき&言い訳


サボってた人間に神など降りてくるはずがありません。
3周年をやろうと決心した時に真っ先に思い浮かんだのが司免停物語でございました。

しかし、ごく当たり前のことでしょうが免停になったことがありませんので、まず最初に免停になる点数を調べるところからはじめました。

免停になって講習を受けた人のブログを読みながら、へぇ…などと思いつつネタを拝借。

そのあとにふと自分の歴代免許証を見て、緑→青→ゴールドとなっていることに気が付きました。

実は私、運転免許のスタートが原付免許なんです。
で、同年代の方ならかすかに記憶があるかもしれませんが、現在のカードサイズではなくて一回り大きな免許証。
そして当然ファースト免許なんで緑。

ここで私、免許取ってから20数年…初めて気付いたことがございます。

緑って原付だけじゃないんだ…と。

緑の免許証の初更新を前に、自動車の免許証を取得しましたので、原付だから緑だったと思っていたんですね。お恥ずかしい。

そのあと、一度更新してから二輪の免許を取りましたので、気づいたらゴールドになっていた…ということで書きながら何も知らなかった自分にビビりました。

そして時系列ね。

教習所シリーズのつかつくが何歳なのかとか当初の設定すっかり忘れてます。というより決めて書いたのかどうかも覚えてない。めんどくさくて読み直す気もない…(笑)

ふたり一緒にいるってことは高校卒業から少なくとも4年は経ってて、つくしは最低でも22歳以上だし、そこからバイクの免許を取ってることを考えてもまあ24歳から26歳くらいかな…と。確か教習所物語では自動車免許は持ってる設定だから、無事故無違反(無検挙)なら次の更新にはゴールドになっているだろう…くらいの感覚です。
もうね、詳しい時系列とか設定は無視して読んでください。

とにかく一つ目のお話は書けました。

楽しんでいただけたかどうかはわかりませんが、とりあえずホッとしているやこでございます。









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8 Comments

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2018/10/29 (Mon) 07:27 | REPLY |   

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2018/10/29 (Mon) 09:13 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

細かくですか(笑)
昨日は爆笑していただきましたからね。ちょっと頑張って種類の違うムフフにしてみましたのでまんまと引っかかったな(笑)

ほうほう、ということはちょうどスリーさんと私の免許取得の間の時期に制度が変わったのかな?
実は私も18で原付、20歳で普通免許を取りました。
電車通学と通勤でしたし、田舎のくせに駅も近いもんですから、自動車はまだいいかな、と思ってね。
それでも原付があるだけで行動範囲が広がったのを覚えてます。

二輪を取得した時の話なんですけど、30歳の時だったのですごく自信がなくて、「乗り越し自由」的なプランで教習所に通いました。多分通常料金なら10万くらいだったんでしょうけど、15万のプランね。
なんせ普通免許の時に9回乗り越しという快挙を達成してまして、もうイヤでイヤで路上に出る前に卒業の期限ギリギリだったんです。そんなトラウマ?もありまして安心を選んだわけですね。
結局、乗り越しは1回で済みました。
5万くらい、損した( ノД`)シクシク…

当時、旦那と離婚騒ぎの大喧嘩してまして(なんとか仲直りできました)息子を連れて実家へ戻っていたんですね、1か月くらい。
2歳を預けられる託児所付きの教習所を探して、当時46歳のオバチャン(他人)と一緒に頑張って通いました。
まあそれも今となっては笑い話のいい思い出です。

運転は今でもあまり得意じゃないけど、なんせ車がないと生きていけない関東すみっこの中核都市ですんでね。

まずは安全第一、気を付けて運転したいものです。

2018/10/29 (Mon) 10:44 | REPLY |   

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2018/10/29 (Mon) 12:48 | REPLY |   

やこ  

星香様

Σ(゚∀゚ノ)ノキャー
お祝いのお言葉、ありがとうございます(^▽^)
お祝いのお話はまだ届かないけど…(・∀・)ニヤニヤ

電柱…星さん運転苦手だもんね…。
よいのですよ、電車でどうにかなるエリアは!
うちはなきゃご隠居様になってしまうw

キムタクね。
実は昨日急いで付けたしました。
だって、人気あるみたいで…。今回全然登場しなかったもんだから、ヤバイ…Σ(゚д゚lll)ってね。

とりあえず教習所は今日でおしまいです。
明日はイキナリ「え?」って感じかも。

でも星さん向けかもねー。

というわけでコメントありがとうございました!

2018/10/29 (Mon) 16:20 | REPLY |   

やこ  

さとぴょん様

ははははははは

うちに来る迷惑コメントタブ行きは100パーさとぴょんさんです。
今回もしっかり入ってまして、ああ、これな!と。
なのでご親切に送信し直していただきましてありがとうございます。

股間に金の延べ棒…ほう、すごいの持ってるね、司。

頑張って笑っていただけるお話を書きました。

是非褒めてやってくださいね。

2018/10/29 (Mon) 16:24 | REPLY |   

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2018/10/29 (Mon) 20:31 | REPLY |   

やこ  

kachi様

こんばんはー!お祝いのお言葉ありがとうございます(^▽^)/
もうね、kachiさんには記事を更新するたびにコメントいただいてますし、お気になさらないでくださいね。
そもそも私のほうが書いてないわけだし(笑)

しかしまあご主人もなかなかもツワモノですね。
免停とは…男の勲章だ!みたいな(笑)電車に乗るならチャリ通だ!
他人様のご主人に大変失礼ですが…ステキです(笑)

初日2日目とフッ飛ばし過ぎたので、明日はすこーし落ち着いたお話で…。
多分人気ないと思うけど💦

残り4日、お楽しみください❤

2018/10/29 (Mon) 20:54 | REPLY |   

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