Beautiful days

花より男子を愛する自称永遠の乙女の妄想  ※現在、ブロとも申請を休止中
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薔薇とワルツとご令嬢 後編

後編



「あっ、分かったかも…」

司とつくしが揉めている中、類がポツリと呟いた
二人も言い争いをやめ、類に注目する

「あの人の香り…『NASHI』だ」

「はあ? 無し? なんか良い香りがするって言ってたじゃねえか」
「そうじゃなくて、ほらっ有名香水ブランドが期間限定で発売した『NASHI』って言う香水だよ」

「へぇ…そういう香水があるんだ」
つくしは、感心しながら相槌を打つ

「ん…洋梨の香水は色々あったんだけど、あれは日本の豊水を元に作られたらしいよ? だから、印象に残ってて…」
「あっ、俺もそれ聞いたことある」
「あぁ…俺も! でも、その香りを嗅いだことがなくてさぁ」

あきらと総二郎も、類の博識ぶりに驚く

「ほんのり甘い香りで、主張しすぎない所が、あの令嬢によく合ってるよね。
たぶん…彼からのプレゼントなんじゃない?」
「うんうん! 彼女の事を、よく分かってるから、『NASHI』を選んだんだろうね。 
良いなぁ…彼女の事をすごく良く分かってて…」

つくしの惚れ惚れとした声に、再び司のコメカミがピクピクと動いた


司は早く二人きりになりたくなった。

たださえ、久しぶりにあったつくしは女っぽくなり、ドレスアップしてなんとも言えない色香を漂わせている。今すぐにでもキスをしたくなるところをなんとか抑えている。

それなのに当の本人は芸能人にぽうっとなったり、ダンスでは足を踏みまくったりと、久しぶりに会ったというのに、嬉しそうなそぶりを見せていないのだ。

「よしっ!MJだか『NASHI』だか知らねぇが、
牧野、二人っきりになるぞ!・・・って、あれ?
牧野はどこへ行った?!」
「牧野ならトイレって叫んで、
さっきパーティ会場を出て行ったけど?」
総二郎は会場出口を指さした。


***



「やばっ!さっきのダンスで、
ストッキング伝線しちゃったよ!
道明寺の機嫌が悪くならないうちに
戻らないとだしっ。」

さっきまで優雅に踊っていたとは思えない速度で、つくしは廊下を走っていた。すると、向かう先である廊下の突き当たり曲がり角に、紫色のドレス姿がチラリと見えた気がした。
もう一度見直してみると、もう何処にも紫色のドレスは見当たらない。
その廊下突き当たりを曲がろうとした矢先、
「待てよ、やこ!」と、つくしは腕を引っ張られた。
「ぎゃっ!誰よ!!」
自分の腕を引っ張った方角に振り返ると、NASHIの香りを纏った美女と踊っていたはずのMJだった。
「えっ、MJ?!」


***



一方、司

一刻も早くつくしと二人きりになりたいと思うも、当の本人が戻って来ずイライラが募る。遂には「ちょっと探して来る」と走り出す始末。


チッ!あいつ何処のトイレに行きやがったっ!
まさか、ここで迷子になってる訳じゃねぇだろうなっ?

フロア内の廊下の突き当たりにその姿を見た気がして、気が急く。


「テメェは、ウロウロすんじゃねぇっ!!」


司はつくしの腕を掴み、ぐっ!と引き寄せた。

…………が……………

自身の腕の中に居たのは、先程 MJ のパートナーとして踊っていた『NASHI』の彼女だった。


「……っと、これは失礼しました」

「……いえ……」


『NASHI』の彼女は潤む瞳を隠すように俯いて司の腕から抜け出し、深々と頭を下げた。


「………その様なお顔をされていては、パートナーの方が心配されますよ」

「…………そう……ですよね…」


司が差し出したハンカチを綺麗な所作で断り、自身のハンカチで涙を押さえる。
次にその顔を上げた時は、会場でパートナーと踊っていた時のあの笑顔に戻っていた。

間違えてしまったのはこっちなのに
「失礼しました」と頭を下げて去る姿を、
司は少し牧野に似ていると思いながら見送った。


***



「す、すみません。パートナーの彼女と間違ってしまいました!」

「あっ、大丈夫です。てか腕を掴まれちゃったっ///嬉しっ、なんて!えへへっ」

MJはペコッと頭を下げつくしに謝罪した。

「ったく、どこに行ったんだろう。はぁ・・」

そしてパートナーが見つからない事に落胆し悲しそうに呟いた。それを聞いたつくしは思わず聞いてしまった。

「あの、どうかされたんですか?」

MJは溜息を吐き頭を項垂れていたが、ゆっくり顔を上げつくしをじっと見つめた。

「もしかしてあなたは、道明寺さんが《4年後に迎えに行きます》と宣言された相手の女性ですか?
あっ、不躾な事を聞いてすみません!」

「あっいいえ。一応そうです/// あははっ」

あいつ!記者会見であんな事言ったもんだから、まだ人の記憶に残ってるじゃん!てか・・MJが道明寺の事知ってるってあいつ凄いじゃん!

「あなたなら、僕の気持ちを解ってくれるかもしれない」

ポツリポツリとMJが話し始めた。

「僕が一目惚れしたのが始まりで、やことは付き合って4年になります。やこの家は代々続く名家の令嬢で、僕は普通の家に生まれた男で、仕事は知っての通り歌手です。波のある仕事です。いろんな意味で、僕は彼女に相応しくないのは解っている」

あっ、私と同じ事で悩んでいる?身分の違い?

「やこは明るくて、綺麗で、いつも見守ってくれて、励ましてくれて、僕の事を思って怒ってくれたり、悲しい事があると一緒に泣いてくれる。そんな優しい人で。僕には勿体無い、でもなくてはならない人なんです!」

エッ、MJが彼女の事を、私に、惚気てる///
にしても、やこさんにベタ惚れなんだね///
こんな事聞いてていいのかな、私、トップシークレットだよね。あははっ。

「少し前、週○文○に《MJ&ハチコ 熱愛発覚?!》なんてデマを報道されてしまって。違うって説明したんだけどそれから余所余所しくて」

私も道明寺のデマ報道で悩んだな。
遠恋になってからは外国の女性との噂もいっぱいあったし。

「釣り合わない僕、デマの報道、それに彼女のお爺様に僕の存在も認めて貰っていないのに、どうしたらいいか、もう解らなくて」

大好きだからいろんな事、不安になるよね。

つくしは大きく深呼吸した。

「私達もいろいろありました。これからもどうなるか解りません。でも私は、4年間頑張った道明寺を、支えてくれた友人を、日本で頑張った私も信じています!」

これからもどうなるか解らない、
そんな不安を抱えている筈なのに、つくしの表情には一切の迷いはなく《信じている》と言い切った。

「MJさんの思いを伝えてあげて下さい!きっとやこさんは少し不安なだけ。2人のダンス、優しさに溢れていてとっても素敵でした。そんなお2人に見惚れてボーッとして私はあいつの足を踏んじゃったんですけどね。あははっ」

「・・・はい」

「あぁっ!!大変早く戻らなきゃ!道明寺の機嫌が悪くなるーー!!」

そう言ってつくしは目的のトイレに駆け込んだ。


「あ〜換えのストッキング用意してて良かったぁ。ほんっとパーティとかこれだからイヤ! こちとら生粋の庶民だっちゅーの! やこさんみたいなお嬢様は着替えるためだけに部屋用意してそうよね……」

 つくしはブツブツと独り言を呟きながらホテルの廊下を歩く。MJは無事にやこさんと会えただろうかと、先ほどの場所を見るも、その姿は確認できなかった。
 瞬間、ガシッと後ろから肩を掴まれて、グエッと己の口から奇妙な声が出る。

「な、な、な、なにっ!?」
「てめー俺様を放置プレイとはいい読経してんじゃねえか!」
「読経って何よ! 度胸でしょ! パーティに来て経を読んでどうすんのよっ!」
「今日を読む? 何言ってんだ……大丈夫か?」
「あんたの頭が大丈夫か、よ!」

 司といつもの定番のやり取りをしながら、パーティ会場に戻ろうとつくしが歩みを進めると、後ろから司に腕を掴まれる。

「ちょっと休んで行こうぜ? 上に部屋取ってんだ」
「へっ? あ、あの……その……」

 いくら鈍いと言われるつくしでも、司の言う意味ぐらいはわかる。でも……。

「バーカ、何期待してんだ。仕事仕事で全然日本帰って来てから休んでねえんだ、ちょっと休ませろよ」
「あ、そういうことね……じゃあ、あんた一人で……」
「一緒にいてくんねえの?」

 ほんの少し声のトーンを落として、大人の色香を滲ませる司に、つくしは顔を赤らめた。それきり言葉もなく、エレベーターに乗り込む。
 着いた階は、エグゼクティブルームのある最上階。

「あ、あのね……道明……」

「やこっ! 待てって! 頼むから話を聞いてくれ」
 やこって……MJの声?
「牧野? 何やってんだよ、行くぞ」
「しぃっ! ちょっと黙ってて」
 つくしは司の口を手で塞ぐ。柱に身を隠して、そっとMJの後ろ姿を覗き見た。
「なにっ!……モガッモガッ」

「だから、ハチコとは本当になんでもない。僕がやこのことをどれだけ愛してるか知ってるはずだよな?」
「あなたのことを疑ったことなんて一度もないわ……」
「じゃあなんでっ」
「だって……見惚れてました」
「えっ?」
「道明寺様のお連れの方に……あなた、見惚れてた。ハチコさんのことより……私があなたの前にいるのに」

 やこのグスッという鼻をすする音が聞こえる。美しく気高い、紫の薔薇──そんな彼女でも、人並みに悩んでいたのだとつくしは安心感を覚える。

「見惚れてるわけないだろ……僕は、そんなことよりやこにどう伝えようかって、今日はそればっかりだよ。見惚れてるように見えたなら、それは想像の中のやこに見惚れてたに過ぎないな」

 凄いこと言うなMJ────っ!!!!!!つくしは叫び出したい思いを堪えて、必死に口を塞ぐ。


「誕生日おめでとう……そして今日からはずっと僕のそばにいて欲しい」


 MJに抱きしめられたやこが、小さく頷く。つくしも涙ながらにうんうんと首を縦に振っていた。

「モガッモガッ──(早く離せっーー!!)」

 苦しそうに呻く司の首をギュッと抱き締める。グエッとこれまた奇妙な声がして、つくしは首を傾げながら司を見つめる。

「あれ、寝てる? よっぽど疲れてたんだねぇ」

 仕方なく、床に倒れた司を、ズルズルと目的の部屋まで引き摺って歩く。

「やこさん、お誕生日おめでとう」

 そう呟きながら──。

111.jpg

Illustration by plumeria




fin







明日6時はスピンオフ!

なにこれすごすぎwwww



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