2017_06
16
(Fri)06:00

20years お父さんのお仕事 5 

「アンタ…何してんのよ、そのカッコ…」
「風呂に入るんだよ…」
「パパー、久しぶりだね、入ろ入ろ」

隠すこともせずにズカズカと入り込んで来た夫に呆れるばかりのつくしだった。
こりゃ長くなりそうだと湯音を少し下げるとザブンという音がして湯量が増えた。

「あのさ、できればシャワー浴びてから入ってほしいんだけど…」
「なんだよ、帰ってきてから一度シャワー浴びてんだからいいだろ」
「パパが入るとお風呂が深くなるんだよねー」

無邪気な娘は嬉しそうにそう言うのだった。

「で、何話してたんだ?学校の話か?」
「うーん、つぐみはクラスで一番大きいんだよって話をしてたの!パパやお兄ちゃんくらい大きくなりたいなーって言ったらママがそんなに大きくならなくていいって」
「まあそうだな。つぐみはママよりちょこっと大きいくらいでいいんじゃねぇか?」

普段から「なんでも一番になれ」と司に言われているつぐみは、背が一番高いということを自慢に思っているようで、そんなに大きくなる必要はないと言われる意味があまり理解できていないようだ。

「そんなことより学校はどうだ?保育所と全然違うか?」
「うん…なんかクラスのお友達、お金持ちばっかりなんだけどそれがエライと思ってるみたいで、つぐみはいつもそんなの関係ないよって言うのにコウゲキしてくるんだよ」
「どんなふうに?」

コウゲキ、という物騒なワードに反応し思わずつくしも会話に参加してしまう。

「よくわかんないけど、みんなのお父さんの会社に順位があるんだって。それで1位の会社の子が今一番威張ってて、その周りに男の子が3人いつもくっついてる。4位までの子みたい。いつもバカとかアホとかビンボーとかやなこと言うの」
「ぶっ」

つくしは思わず吹き出してしまう。

「直ちゃんは本当は2位なのに、女の子だから仲間に入れてもらえないんだって。おかしいよね」
「そんなバカらしいグループにつぐみも直も入りたいのか?」
「やだよ、なんか威張ってて性格悪いんだもん。仲間だと思われたくないし」
「そうか、つぐみがそう思うなら無理に仲良くすることはないからな」
「1位の子がね、あ、中丸君っていう子なんだけど、こないだつぐみにわざとやなことを言ってきたから、言い返したの」
「ん?どんなこと言われたんだ?」
「……忘れちゃったけど、とてもやなことだった」
「パパやママのことを言われたのか?」

それまで饒舌だったつぐみは、いきなり黙ってしまった。

「ねえ、パパのお仕事ってなに?社長さんだよね?」
「そうだな、翼と一緒に仕事をしてるんだ」
「社長ってエライんだよね?」
「そうだな…偉いというよりは大変だと言ったほうがいいんじゃねぇか?一生懸命仕事をしないと、社長と一緒に働いてる人が困ってしまうからな。威張ってるだけじゃ仕事はできないし、威張ってばかりの社長とはみんな一緒に働きたいとは思わないだろ?」

1年生のつぐみには少し難しすぎたのか、腕を組んで黙ってしまった。

「どうしてつぐみはそんなことパパに聞くの?」
「うーん、中丸君がね、つぐみのパパはいつもペコペコ頭を下げててちっともエラそうじゃないって言うんだ。見たことあるのかなぁ」
「その子が見たかどうかはわからねぇけど、もしかするとその子のパパがオレを見たのかもしれないな」
「それじゃ、どうしてパパはペコペコ頭を下げてるの?」









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5 Comments

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2017/06/16 (Fri) 06:29 | REPLY |   

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2017/06/16 (Fri) 16:39 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

英徳に通う子供の親ですからね。現実はそうでもないんでしょうけど、高飛車な親がウヨウヨいるという前提で書いてみました。

2017/06/18 (Sun) 18:58 | REPLY |   

やこ  

かなた様

そうでしょ?カッコいいパパしてますよね??
金持ち坊ちゃんもステキだけど、一般人化した坊ちゃんも大好きです。

2017/06/18 (Sun) 18:59 | REPLY |   

やこ  

名無し様(拍手コメ)

司くん、普通のパパさん頑張っております。
その司くんを描く私も頑張りました(笑)

2017/06/18 (Sun) 19:25 | REPLY |   

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