どうする?!LAパニック 5 

「道明寺!アンタは見ないで!アタシは大丈夫だから!!」
「バカなこと言うんじゃねぇっ!」

バンッ!!

大きな音がした瞬間、先ほどまでドアのあった付近で見張りをしていた類似の男が先ほどのように吹き飛んだ。

「まったく…こんなとこまで来て俺の仕事を増やすなよ…」
「美作さん!」
「あきら!」

あきらはニヤリと右の口角を上げると、まずは類似の男を絞め上げ拘束、続いてあっという間にもう一人の男をノックダウンさせた。

「あきら。終わった?」
「うわっ、埃っぽい」
「お前ら少しは手伝えよ!」

F3の登場である。


***


「牧野が司に会いに行くことを見越して、ねーちゃんにこのペンダントを託したんだよ」

あきらはつくしが椿から受け取った天使のペンダントを指さしてそう言った。

「どうせ牧野は『もったいない』とか言って携帯の電源切るだろ?けど道明寺と絡んでる以上アメリカでは危険も多い。高額なものは受け取らない可能性が高いっつーことで、オモチャ級にチャチなペンダントを渡してもらったというわけだ」
「なんでそれをオレに言わねぇんだよ!」
「お前電話出ないじゃないかよ!」

あきらが椿に託した天使のペンダントにはやはりGPSが仕込まれていて、高価なものを受け取る可能性が低いと睨んだあきらが敢えてプラスチックで作らせたものだった。
明らかに見た目がオモチャだったこともあり、つくしを拉致したふたりも奪うことすらしなかった。

椿にあきらと連絡を取るように言われた司はすぐに連絡を取り、あきらはすぐに総二郎と類とともにアメリカへ飛ぶ飛行機の中でペンダント型GPSの移動履歴を調べた。念のためつくしの携帯の移動軌跡も調べたが、途中で消えてしまっていた。
ペンダントの位置がある場所で動かなくなるとすぐに司がその場所を突き止めそこへ向かう。
ところが相手が拳銃を所持しており司も手が出せず、危うくつくしが司の目の前で輪姦されそうになる直前に3人が到着したというのが今回の事件の顛末だ。

「念のため調べてみたけど、あの二人はどっかの組織のメンバーってわけじゃなくて、思い付きで道明寺から身代金を要求しようと思っていたらしい。バックがいない分やることは結構お粗末だったぜ。牧野についてたSPにそそのかされてやったって言ってたな」
「悪かったな、あきら」
「こういうのは俺の専門だしな。あいつらどうする?沈めるか?」

恐ろしいことを笑いながら言うあきらに、つくしは青ざめながらブンブン首を横に振った。

すると総二郎が不思議そうに

「しかしまた牧野はなんであんな明らかにおかしい奴らについてったワケ?」

と素朴な疑問をつくしに投げかけた。

「片方の男が…類に似てたから…安心しちゃって…」
「俺に?」
「サングラスしてたけど本当に似てたんだよ?口元や鼻はもちろんだけど、背丈や髪の色、歩き方とかまるで本人みたいで…」
「でもアイツ、サングラスしてなきゃただのブサイクだったよな」
「あんなのに似てるとかマジで勘弁して…」
「ごめん…」

似ているというだけで付いて行ってしまったと聞いた司は

「類、顔を変えろ」

そんな無茶なことを言って周囲を凍り付かせた。


***


3人はせっかく来たんだからこっちで遊んで、牧野の帰国に合わせて一緒に帰る、と言ってふたりをホテルに残して出かけて行った。
つくしの身に起きたことを考えると、さすがの司もつくしにベッタリしようという気になれず、時間だけが過ぎていく。

「道明寺、ごめんね」
「気にすんなよ」

会話もなんとなく続かない。

「ホテル内に免税店あるけど、買い物でも行くか?」
「ううん、椿お姉さんにたくさん買ってもらったし…、アタシお財布取られちゃったから」
「飯は?」
「あんまり食欲ないのよね…」
「どっか行けそうか?」
「そうだね…こうしてても仕方ないし…。昨日みたいに道明寺と離れることがなければ大丈夫だと思うんだけど…」
「ドライブでも行くか?」
「どこに?」
「カリフォルニアとか海のほう」
「行きたい!」

やっといつもの牧野が戻りつつある。司はつくしの手を取ると

「行こうぜ」

小さな手を握り締めて部屋を後にした。


***


「すっごーい、なんてキレイなの!」

司とつくしは車に乗ってサンタモニカ・ベイにやってきた。
全世界の砂浜の砂がすべてグレーだと思っていたつくしは、白い砂に興奮しながら触っている。
到着がちょうど夕暮れ時と重なり、どんどん夕陽が沈んでいく。紫やオレンジ色の空と水平線に沈む太陽はこの世のものとは思えないほどロマンチックで、太陽が沈んで行く様子をじっと眺めているつくしを司は背後から抱きしめた。

「寒くねぇか?」
「ん、ちょっとだけ…」

着てきた服はボロボロになってしまい、お気に入りだったシャツは行方不明。幸い拉致される直前に椿に買ってもらった服で間に合わせていたが、少しだけ肌寒さを感じていた。
司は自分が来ていたジャケットを脱ぐとつくしにふわりと羽織らせた。

「え、寒いでしょ?」
「じゃ。オレはオマエにひっくつわ」
「ははは、なにそれ」

そう言ってつくしの肩を抱きしめる。

「まだ少し早いしこのあとグリフィス天文台にでも行ってみようぜ」
「うん」

危険で恐い目にあったことを上書きできるくらいのいい思い出を作ってやりたい、司はそんな風に思っていた。
グリフィス天文台からはロスの夜景が一望でき、碁盤の目のように並ぶ煌びやかな光はどんな宝石よりも美しいと言われている。

「すっげーいいもん、見せてやるよ」









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2017/05/27 (Sat) 18:18 | REPLY |   

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