ラブ・シンドローム 98 

ご注意

このお話は医学に関することを扱っておりますが、この先ほとんど調べることなく作者の想像で書かれた描写があります。

医学に関しては完全な素人になりますので、それを踏まえた上でお進みください。

事実と異なる点についてのクレームにはお応えしかねますので予めご了承ください。


ではどうぞ








怖い。
とにかく目の前のオトコが怖くて仕方ない。

書類を取りに来た…だけとは思えない様子のこのオトコ。
時計はすでに21時を指しており、事務所に戻る船はもうないはずだ。
と、いうことは…きっとここに泊まるつもり…だよね??

「そんなに構えるなよ。今夜は落ち着いて話がしたいだけだ」

アタシだってそうしたい。
でもきっとこのオトコの話は「今後のこと」に違いない。

この島で再会して、好きだと自覚はしたけれど、根本的な問題は何一つ解決していないのだ。

「なあ、どうなんだよ」
「何が…?」
「いいか、自分の将来とかそういうのをとりあえず無視して答えてくれ。オマエはどうなんだ?オレのこと好きだよな?」

好きだよな

まあそうよね。一夜を共にすればそう思うのは当然。

「たぶん…好き」
「なんだよ多分って」
「一応進歩してると思ってよ」
「まあいい。それじゃオマエはこの先自分の将来をどう見据えてる?」
「それは、大学の義務年限、まだ何年かあるけどそれを無事に終了させて大学病院の医局とかで研修医としてやっていきたい。そして産婦人科専門医になりたい」
「わかった」

本当にわかっているのか怪しいのだがとりあえず続きを聞いてみよう。

「つまり、オマエはオレのことは好きだが自分の将来を考えるとその先に踏み出せない、そうだな?」
「まあ…そういうことになるね…」
「例えばこの島での仕事は好きか?続けたいか?」
「もちろん。辞令が出るまではきっちり務めるつもりだよ」
「都立病院での研修、どうだ?」
「正直、キツかった。当直ばっかりでろくに睡眠もとれないし。でもうちの大学を出た人たちは誰しも通る道だし、間もなく類だってまた戻らなきゃならないんだよ」
「つまり、やらなきゃいけないことだから戻って頑張る、ということだな?」
「簡単に言えばね」
「わかった」

何がわかったって?
特にアタシを責めるわけでもなく、ただ淡々と質問を繰り返すだけ。
医療とは無関係のこのオトコがこんな質問だけで何がわかったというのだろう。

「例えばだ、通常の医大にいけばオマエはとっくに研修医で間もなく専門医として独り立ちする時期になるよな?」
「そうだね」
「すでにスタートが遅れてるってことになるわけだ」
「うん」

そして道明寺はしばらく何も言わずにただアタシを見つめている。
この沈黙がなんとも気持ち悪く、

「あの…」

と沈黙を破ってしまう。

「ああ…、悪い。そうだな…オマエの性格を理解した上で言う。オレの提案を飲む気はないか?」
「どんな提案?」
「まず…」

驚いたのは白黒ハッキリさせたい性格の道明寺が何故か話すのをためらっている。

「どうしたの?何?」

こうなると逆にこちらから聞き出したくなってしまう。
わかるのは道明寺が何か言いたそうにしていても、言い出しにくいことがあるようだということ。

「少し調べさせてもらったけど、義務年限とやらで勤務した分…それは奨学金として返済は済んでるんだろう?」
「そうなるね」
「なら…残りの年数分、オレが立て替えるからその分早く研修医になって専門医を目指さねぇか?」
「それは…」
「支払ってやるって言ってるわけじゃねぇよ。あくまでも立て替えるだけだ。それも俺がこれまで働いて稼いだ金で立て替えるし、きちんと取り立てもする。オマエが望むなら利息をつけてもいい」









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2 Comments

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2017/05/23 (Tue) 07:26 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

こんばんはー

え、「躊躇する司」珍しいですか?
そうですよねー、シロクロはっきりさせたいタイプって感じだし。

残りあとわずか!このまま終わるのか??
お楽しみに~

2017/05/23 (Tue) 21:51 | REPLY |   

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