20years 父と娘の距離 4 

午前中に多くの方よりブロとも申請を頂きました。
本当にありがとうございます。
楽しみにして下さる方が多いとのことで、できるだけすぐに承認するように頑張りました!
ご丁寧にメッセージくださいました方々、おひとりずつ返信できず申し訳ありません。

他の二次作家の方の微R程度のぬるーいRですが、楽しんでいただけると嬉しいです。


では本日の道明寺家をどうぞ。









「オイ、院長室はどこだ」
「申し訳ございません、アポイントはございますでしょうか?」

帰り支度をしていた受付の女性に司が声をかけた。
ここは生田病院のロビー。

司はクラブで隼人を一喝したあと、その足で隼人の保護者のいる生田病院へ車を走らせたのである。
当然アポイントがなければ院長になど会えるはずもないが、壁のフロア表示を確認すると

「あ、困ります!」

受付の制止を振り切ってエレベーターに乗り込んだ。

「おい、オマエ等も早く来い」
「全く…年頃の娘に何を見せるつもりだよ…」

受付嬢がモタモタしているうちに3人を乗せたエレベーターは院長室のある5階へ着く。
普段秘書が座っていると思われる院長室前の受付は無人で、院長室のドアには隙間があり灯りが点いていた。
司はわざと大きな音を立ててドアを開け、開けた視界の先へと進んでいった。

「だ…誰だね、キミは…」

座り心地のよさそうなリクライニングチェアには小太りで禿あがった男がひとり。
その膝の上には生足をさらけ出し、男に跨ってビックリしたようにこちらを見ている化粧の濃い女がいる。

―ったく、親子でオンナの趣味も一緒かよ。

慌ててふたりは離れ、乱れた着衣を直す。

「なんだね、君は。約束もなしにどういうつもりだ」
「これは失礼。実はうちの娘がお宅のご子息に大変お世話になってたもんでね。親としてご挨拶に上がったんですよ。お取込み中のところすみませんね」

事情を知る翼は笑いを堪えるのに必死である。
当のつぐみはこれから何が起こるのかとヒヤヒヤしながらキョロキョロと周囲を見回している。

「お宅のお嬢さんがうちの息子に?それはご丁寧に…と言いたいところだが、いきなりここへ来てする挨拶でもないだろう」
「それは先ほど送らせてもらったメールに添付した動画を見てもらってから判断していただきましょうか」
「メール?」

生田院長はデスクのパソコンを操作し、メール画面を開き

「このメールのことかね?」
「そうです。ウイルスなど怪しいものではありません。単なる添付データですのでご安心ください」

カチカチとクリック音がすると、動画を再生し始めたのか賑やかな音が聞こえてきた。



  『隼人最近付き合い悪いらしいけど、彼女が出来たってホントなの?』
  『彼女ぉ?ああ、あの昔の大財閥の娘のこと?』
  『すっごい、大財閥の娘なの?お金持ってるんだぁ?』
  『それが全然、うちのオヤジが金くれねーからなんかゴチになってヤラせてもらおうと思ったけど門限9時だぜ?顔はめちゃイケてるんだけど親がケチみてーで飯も食えねーしソッコー別れるわ』
  『隼人わっるー!清純なJKにそこまでやる?』
  『清純なJKなんて今どきいるかよ』



「見ていただけましたね。ここにいるのが『JKで昔の大財閥の娘』で私が『ケチな親』です。ご覧いただければお分かりかと思いますが、これはすべてご子息の発言です」
「なっ…」
「一応私も経営者ですので、それほど高くはありませんがプライドもあります。これまで娘が世話になりましたし、ご子息はご両親からお小遣いも受け取られていないということで、娘が夕食を御馳走する約束をしていたそうですから、少しですがごく一般的な高校生の小遣いを先ほどお渡ししてきました」

生田院長は口をパクパクさせていて、司に圧倒されている。

「お約束もせずに突然失礼いたしました。今後娘はご子息に一切近づかせないとお約束いたします。では私どもはこれで失礼します」

司は名刺を乱暴に投げつけ、唖然とする院長と秘書をその場に残し翼とつぐみを連れて病院を出た。
車に乗り込むと

「噂には聞いてたが、おしまいだな、この病院も」
「俺も聞いたことある。最先端の医療機器の導入のしわ寄せがきててかなりヤバイって」
「いいかつぐみ、おそらくあのドラ息子が病院を継ぐ前、下手したら大学に入る前にあのオッサンの病院、潰れるぞ」
「え?!」
「永林に通うことすらできなくなるだろうね」

続けて翼も加勢する。

「病院経営が傾いてるってのにあのザマだ。危機感も自覚もない痛い親子だな。いいかつぐみ、いい勉強したと思って早く忘れろ」
「うん…でもなんで…パパがそんなこと…」
「ちょっとな。これでもまだあちこち顔はきく」

助手席におとなしく座っていたつぐみは、何かを決意したように深呼吸をして

「あの…パパ…えっと…ごめんなさい、生意気なこと言って」
「子供が間違った方向に行くのを正すのが親の役目だ。正直腹は立ったが許容範囲だ」
「ぶっ」

照れ隠しなのはわかるけど、許容範囲ってなんだよ、と翼は笑いを噛み殺す。

「ところで父さん、問題はこれからじゃないの?」
「ああ、オレもそのことで頭が痛い…」


***


「このバカ息子め!お前どこの娘に手を出した!」
「どこって…ああ、あのわけわかんないおっさんね」

隼人はクラブで起きた出来事を早く忘れたかった。
たった5000円で何ができるんだよ、元財閥も今やこの程度。やらせてくれそうにないガキのことは忘れて次の女を探そう、と。

「元大財閥だって聞いてたけどたいしたことねーな。親子でケチだし、やたら熱くてイライラするよ」
「会ったのか…道明寺に」
「つぐみの父親?兄貴みたいなのにも会ったよ。授業参観かよ。って何?知ってんの?」
「息子じゃない…母親のほうだ」
「母親?つぐみの?」
「そうじゃない。だからあれほど経営も勉強しろと言ったんだ!道明寺司の母親だ!道明寺楓」
「知らないな。で?その婆さんがどうしたの?死んだ?」
「お前って奴は…」

なんと言われようが隼人には関係がない名前。

「すでにマトモな金融機関から融資を受けられないうちの病院に唯一カネを貸し付けてる婆さんだ。あの人に見放されたらうちはもう終わりだ…」

するとトントンとドアがノックされ、応答を待たずに秘書が飛び込んできた。

「い、院長…融資を打ち切ると…今連絡が…」
「なんだと!?」









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4 Comments

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2017/05/20 (Sat) 18:05 | REPLY |   

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2017/05/20 (Sat) 19:49 | REPLY |   

やこ  

委員長様

こちらは「おお~委員長出た~」です(笑)

最近めっきりエロに飢えております。
お話の強奪を切に願います(・∀・)ニヤニヤ

あ、アイドルマスター、待ってます。

2017/05/20 (Sat) 20:12 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

リクエストとはなんか違う方向に向かっている気がしますが、スカッとできてニヤッとしていただければこちらは満足です。

残り2話、お楽しみくださいませ~

2017/05/20 (Sat) 20:14 | REPLY |   

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