Countdown 後編 

「「「「「「……………」」」」」」



恐ろしいほどの静寂は約1分続き、その間司は参列者全員をなぜかひとりひとり睨みつけていた。

「ねえ…なんなのコレ」
「誓え」
「は?」
「オマエも腹から声出して誓うんだよ、オレ様みたいに」
「じょ、冗談じゃないっ」
「なんだと!?オマエまさか誓いもせずにオレと結婚する気でいんのか?」
「いやいや、これはちょっと…」
「それじゃ何か?オマエはオレの財産目当てか?」

その言葉にカチンと来てしまったつくしは思わず

「はぁっ?アンタね、失礼なこと言わないでくれる?誰がお金欲しさにこんなに性格の悪い人と結婚すんのよ。愛してなきゃ結婚なんてできるわけないじゃんっ」

「「「「「「…………」」」」」」

「はっ!」

売り言葉に買い言葉ではあるが、時と場合が最悪である。

 総二郎 「神聖なチャペルで結婚式の最中に新郎新婦が大喧嘩とかあり得ねぇな」
 あきら 「しかもシレッと愛を告白してるし」
 類   「何この茶番」
 滋   「狂ってるね」
 桜子  「これはヒドイ」
 優紀  「お金持ちで流行ってるんですか?こういうの」

「オマエ等、聞いてたな?牧野つくしは性格の悪いこのオレを愛してるそうだぜ!」
「ええっ!!」

参列者が見守る中、つくしは恥ずかしさで真っ赤になっており、その表情は今にも泣きそうである。

「大声じゃなくてもいい。とりあえず誓っておけよ」
「なんてヤツ」

大きな瞳から涙がこぼれ落ちた。そしてつくしは覚悟を決めて大きく息を吸うと

「いいっ?これまでう~んっと苦労した分幸せになってやろうじゃないの!『愛してる』ですって?!そんなのはアンタが棺桶に入るときに泣きながら叫んでやるわよっ!何度でもねっ」


 総二郎 「宣戦布告のマイブームは継続中ですか」
 あきら 「こんなに恥ずかしい結婚式は見たことないぜ」
 類   「くくくっっ」
 滋   「なんなのコレ」
 桜子  「優紀さん、大丈夫ですか?」
 優紀  「なんとかね…」

「っつーことでオレと牧野は明日から休暇を取る!いいかオマエ等、しっかり仕事しろよ!」
「ちょ、何言ってるの!?」
「ワイハに行くんだよ、夢だった新婚旅行に」
「ええっ、だってアタシ明後日大事な契約が…」
「そんなもんは中島がとっくに処理済だ」

つくしは思わず中島を見る。
普段あまり見せない笑顔で右手を挙げているのが見えた。

「幸せそうね」

友里子が微笑みながらそうつぶやいた。

「次はお前等だろ?」

中島が友里子と金澤を交互に見ながら呟いている。
無口な金澤は恥ずかしそうに俯いてるが、左手には友里子の右手がしっかりと握られていた。


***


「お金持ちのやることってホントにわかんない」
「日本経済の為に金を使って何が悪い」

司とつくしはハワイに向かう飛行機の中。
前代未聞の結婚式の後、役場に婚姻届けを提出したふたりは正式に夫婦となった。

「少しは相談してくれてもいいじゃない、なんなのあれ」
「めでたいことなのにブルーになってるオマエに何を相談しろって言うんだよ」
「だからってあんな結婚式見たことない。ホントに恥ずかしかったんだから!」
「いいじゃねぇかよ、オレ達らしくて」
「何もあんな怖そうな人たち使って誘拐まがいのことしなくてもいいじゃん。しかも飲み物になんか怪しい物入れてなかった?犯罪だよ!アンタが呼んでるって言えば大人しく付いて行ったつーの!」
「オレはサプライズが好きなんだよ!」
「サプライズにも限度があるでしょ!」

憧れのハワイに向かう飛行機の中でさえこの調子である。
口では文句を言いながらも、これからの生活は賑やかになるに違いない、と心で思うつくしだった。

「お、見えてきたぜ」

司にそう言われて窓の外を覗くと、この世のものとは思えないほど美しい海や島が見えてきた。

「キレイ…」
「心配すんな、オマエもそれなりにキレイだから」
「ほんとひと言余計よね…」

それだけ言うとつくしは司の腕にしがみついた。
揶揄ってばかりで殴られるかと思っていた司にとっては意外な行動で、

「なんだよ、どうした」

ついそんな風に言ってしまう。

「ありがと、幸せだよ」

つくしも素直にそう言うのだった。

「なあ、棺桶に入るまでお預けとか勘弁してくれよ」
「何が?」
「愛の告白」
「なっ!!!」

乗っているのは飛行機なのだが、気分はジェットコースター状態である。

「怒ってたかと思えば大喜びしたり、赤くなったり忙しいな、オマエの顔」
「悪かったわね…」


そうこうしているうちに飛行機は着陸態勢に入り、グングン高度を下げてドンっという衝撃とともにホノルルに到着。
手続きを済ませたふたりは、迷わず海が見える場所にやってきた。

「今日からよろしくね、旦那様」
「ああ、こちらこそ、奥さん」

司はそう返すとつくしの肩をギュッと抱きしめる。
つくしは司の胸に体を預けて大きく息を吸い込んだ。

「愛してるよ司っ!死ぬまで一緒にいてあげてもいいよっ!」


~fin~



明日からは「ラブ・シンドローム」を再開します。

ラブシンをああでもない、こうでもないと書いていた時にずっと気になっていた「Take it easy!」の番外編が突然思い浮かんだので一気に書き上げ気が変わらないうちに公開に踏み切りました(笑)

覆面でお話を書き始めたばかりの頃の作品で、ああすればよかった、もっと上手に書ければ…と私にとって良くも悪くもいろいろ思い入れのある作品なのです。
今回番外編が降ってきて、さらに完結させることができてなんだがホッとしています。

本編完結から結構時間が経ってますのでもしかすると矛盾もあるかもですが、そこはご容赦くださいませ。

機会があればこのシリーズももっと増やしていきたいです。


そんなわけで、3日間お読みいただきありがとうございました(o^―^o)









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6 Comments

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2017/05/13 (Sat) 10:26 | REPLY |   

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2017/05/13 (Sat) 21:21 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

喜んでいただけて大変うれしく思います❤
ラブシンを始める前までは、今まで完結させたお話の続編と番外編で食いつないで行こうと考えていたんですが、なんだがラブバトルが書いてみたい、と思って自爆しております(・・;)
番外編はある程度キャラが出来上がってる(二次の次点で出来上がってますけど)ので書きやすいですし、結構喜んでいただけるようですね。
さっさとラブシン終わらせて手持ちのお話の番外編で生きて行こうと思います。
リク?そうですね、あまりたくさんは厳しいですけど、望まれれば頑張る力になりますのでどうぞお申し付けくださいませ(^_-)-☆

先ほどのしやがれでの「潤&旬」「司&類」って感じからはかなり離れてしまったけどとっても楽しかったですねー。
久々にDVDでオレ様な潤様見ようかな。

2017/05/14 (Sun) 00:30 | REPLY |   

やこ  

kachi様

こんばんはー。

ほほう、つくしから司へのサプライズですか!それは全く思いつきませんでしたね。
フムフム、ちょいと考えてみましょう。いつになるかわかんないけど(笑)

以前超有名二次作家様とお話させていただいていたときに出た話なんですが、ラブストーリーって結婚させてしまうとお話を書くのが難しいというのを思い出しました。
結婚してしまうとライバルは出てこれないし、イベントと言えば出産育児って感じでラブがない。
あー、なるほどね、って思いました。
20yearsシリーズはまさにソレで書くところがなくなってついに主役がオリキャラのラブストーリーに…。
今回Take it easyで結婚させてしまったし、次に書くとしたらどの場面を書くのかな、って感じがしますね。

何気に教習所シリーズもご好評いただいてますし、「なにこれww」っていう爆笑ストーリーも書きたいですね。
でも…まずは連載2つをやっつけなきゃ…
リオデジャネイロ狂想曲とかどうしよう(・・;)

2017/05/14 (Sun) 00:38 | REPLY |   

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2017/05/14 (Sun) 16:31 | REPLY |   

やこ  

かなた様

お褒めいただき誠にありがとうございました(o^―^o)ニコ
今回、突然降ってきたお話にしては気に入っております。もっと文才があれば…と思うのですが、これが限界でした。
引き続き応援お願いいたします(^▽^)/

2017/05/14 (Sun) 22:51 | REPLY |   

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