20years 幸せになろう 1 

都合により20yearsシリーズブッ込みます。
本編直後のお話です。

前後編の予定ですが、もしかすると4話くらいになるかもです。





どうも最近母親の様子がおかしいと翼は思っていた。
体調が優れないようだし自分の顔をまともに見ようとしないからである。

体調が悪ければ病院にでも行けばいいのにと思うのだが、ニートが転がり込んで来たせいもあってかいつも通り仕事に出かけていく。

「母さん、最近顔色悪いけど大丈夫?」

翼がそう母親に声をかけると、何故か真っ白な顔が赤くなった。

「だ、大丈夫だよ。何でもない。アンタも早くバイト行きなさい」
「変なの。青くなったり赤くなったり」
「胃の調子が悪いだけだよ。食あたりかも…」

そう言われてみれば何度かトイレに駆け込んで吐いている母親の姿は何度か見た。

「おい、大丈夫か?」

ニート…もとい母親の内縁の夫、なのだが翼にとっては実の父親というなんとも複雑な男が玄関の母親に向かって話かけた。

「無理すんなよ、ふたり目だとは言っても20年ぶりだからな。よし、オレが送って行ってやる!」
「ふ、ふたり目?!」
「ちょっ、司!」

なんとなく具合が悪そうだとは思っていた翼だったが、まさか母親が妊娠しているとは気付かずにいたため、口をパクパクさせて驚くしかなかった。

「ま、マジかよ…」
「えっと…えーと、まあ、あれよ、なんて言うか…」

これまでになく動揺している母親を見て翼は少し恥ずかしくなった。
ヨリが戻って正式に籍を入れるわけだから、夜の生活があるということは翼にも当然わかる。
ただ実の父親と言っても20年離れて暮らして存在すら知らなかった男と必死で育ててくれた母親との関係…。

嫌ではなかったが、正直複雑な気持ちだった。

「まあ、そういう事情じゃ…体大事にしなよね…」
「あのね…翼…」

すぐに出かけるつもりはなかった翼だが、荷物を掴むと家を出てバイトへ向かった。


***


「どうしたの、つば兄」

バイト先の喫茶店で掃除をしながらマスターの一人娘である遥と雑談していた。

「遥はさ、いきなりマスターが再婚するって言ったらどうする?」
「えー、新しいママ?うーんそうだねぇ。嬉しいけどちょっと複雑かなぁ。ほら、女同士だし仲良くできるか不安」

遥は物心つく前に母親を病気で亡くしている。
母子家庭、父子家庭という意味では同じ苦労があったと思うがマスターの再婚と翼の家の事情とでは話が違ってくる。

「なに?おばさん再婚するの?」
「まあそんなとこ」
「えー、お父さんできるんだ、どんな人?」
「どんな人って…離れてただけで実の父親だけどさ…」
「すごーい!なにそれめっちゃドラマチックじゃんっ!いいな、そういうの憧れちゃうよ」

女の考えていることはわからない、翼は小さくため息をついた。

「もしかしたら、つば兄に弟とか妹ができるかもじゃん!おばさんまだ若いしさ。いいなー羨ましい!」

実はもう弟か妹ができた、と言ったら、この女子高生は次にどんな反応をするのだろうか。

「おいおい、口ばっか動かしてないでそろそろ店を開ける準備をしてくれよ」
「あ、すいません」

ペロッと舌を出す遥を苦笑いしながら見る翼であった。










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今日の運試し再び


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2 Comments

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2017/01/28 (Sat) 08:31 | REPLY |   

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2017/01/28 (Sat) 09:39 | REPLY |   

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