Beautiful days

花より男子を愛する自称永遠の乙女の妄想  ※現在、ブロとも申請を休止中
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20years 思春期とあたし 3

すみません、ヤボ用でラブシンの執筆が間に合いませんでしたので、最終話まで続けて更新します。
明日が最終話になります。
ごめんなさい





「おはよ…」


そう言ってはみるのだが朝になっても両親は帰って来ていない。
戸棚にある食パンをかじって学校へ行く準備をするとだんだん腹が立ってきた。


―年頃の娘をほったらかして旅行にでも行ってんの?―


つぐみは、何かあった時に使いなさいとつくしに言われていたことを思い出し、サイドボードの引き出しに入っている茶封筒から5千円を抜き取り学校へ向かった。

さすがに今日は戻ってくるだろう…と。


ところが…

それから一週間たっても両親はマンションへ戻って来なかった。


最初は両親の行動に腹を立てていたつぐみもだんだん不安になってきた。
毎日つくしと翼、可奈に電話をしても電源が入っていないし会社に電話をしても翼は不在。
もしかしたら事故にでも遭ってるんじゃないか、そんな風に思えて堪らなく不安になる。

それでもお腹が空けば何か食べなければいけない。
キッチンには数日分の汚れた食器が積み重なり、心なしか悪臭を放ち始めているように感じる。

さすがにこの状態はマズイと思って食器を洗おうとしても、上手くいかずに数枚の皿を割る始末。


―あたしママがいないと何もできないんだ―


頭を振って気を取り直し、割れた食器を片付けようとして指を切ってしまう。


「いたっ」


するとポロポロと涙が頬を伝い、どんどん流れては次々に溢れてくる。


「パパぁ、ママぁ」


次の瞬間、意地を張って絶対にかけるものかと思っていた司に電話をかけていた。


***


「そろそろ帰ったら?年頃の娘をほったらかして何してんの?」


翼にそう言われてつくしは司を見た。
不機嫌そうに長い足を組んでソファにふんぞり返っている夫は、たぶんかなり無理をしているに違いない。
溺愛していた娘が思春期と反抗期に突入し、理由もなく嫌われている。
度が過ぎた態度に耐えかね初めて手をあげ、どれだけ心が痛んだだろうか。

それなのに手をあげた翌日に翼一家のマンションに夫婦ふたりでやってきて、つぐみからの連絡はオレがいいというまで一切受けるな、と言って籠城し始めた。

翼一家にしてみればはた迷惑な話だが、司にも譲れないものがあるらしい。


「恐らくオマエ等には連絡を入れるはずだ。いいか、つぐみからの連絡は一切受けるな。オレに連絡を入れてくるまで家には帰らねぇぞ」


こうなると司は頑固である。
少々めんどくさいと思うことも多々あるが、つくしはそんな司も嫌いじゃない。

籠城を続けてから一週間後、それまで一度も鳴ることのなかった司の携帯電話が賑やかに音を立てた。
表示を見ると『つぐみ』となっていて、それを見た一同は喉を上下させて司を見つめた。
司はその場で電話に出ようとしたが、何を思ったか携帯を持ったまま突然トイレに入ってしまった。

もう笑うしかない。


***


「パパ、どこにいるの?」
『その前に言うことがあるだろう』
「別に…」


ごめんなさいとひとこと言えばすべてが解決するのはつぐみにもわかっていた。
それでもつい変な意地を張ってしまい素直になれない自分がいる。


「もうお金もないし食べるものもないの。キッチンも汚れてるし早く帰ってきてほしいんだけど」
『オマエはオレやつくしがいないほうがいいんだろう?今まで自分ひとりで生きてきたような言い方で両親に楯突いたんだからなんとかしろよ』


これにはさすがのつぐみも返す言葉がない。
ついこの間までは両親の庇護のもとに何不自由なく暮らしていることを、勘違いして生活していた。
それがたったの一週間で自分ひとりでは何一つ満足にできないことがわかり、こうして司に電話をかけているのだから。


『オマエはオレのことが嫌いなんだろう?白髪で孫がいて老眼のジジイは帰らなくてもいいだろ?』
「それはっ」
『いいかつぐみ。確かにオマエの同級生の両親に比べたらオレ達は年取っててジジババにしか思えねぇかもしれない』
「だからっ…」
『21歳も年の離れた兄貴がいることでダチに何か言われたり嫌な目に遭ったりもしたんだろう』
「…」
『英徳のバカ達を見てみろ。金のことばっかでどいつもこいつも自分ひとりで生きてきたみたいな顔しやがって!そこまでエラそうな顔するなら、自分一人ですべてやってみろっていうんだ!オマエの母親は若い頃から自分でやってきたし、翼が20歳になるまで父親の役目まで果たしてたんだぞ』
「ママが?」


つぐみは自分の周囲にいる同級生の顔を思い浮かべた。
直は裏表のない人間だけどそのほかはどうだろう。中学生のくせにブランド物を自慢し合い、使いきれないほどの小遣いをもらって大きな顔をして生活している。
そしてそれはすべて両親の物であって自分が培ってきたものではない。


「パパ…ごめんなさい」
『…』
「パパとママがいなくなって、最初は清々してたんだ。だけどだんだんお金もなくなってキッチンも汚くなって、家中が汚れていってもなんにもできなくて」
『そうだ、それが今のオマエの力なんだよ。ひとりじゃなんにもできねぇんだ』
「あまりにも汚いから食器洗ってみたんだけどね、何枚も割れちゃったし指も切っちゃったの。これくらいできると思ってたのに、つぐにはなんにもできなかったの」
『オマエを養ってるからって大きな顔をするつもりはねぇが、威張り散らす前に自分がどれだけ無知かを考えろ。やってもらわなきゃできないうちは勘違いするんじゃねぇ、わかったか?』
「うん、ごめんなさい、ごめんねパパ」
『わかればそれでいい、すぐに支度して戻る』



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7 Comments

says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017.01.16 08:51 | | # [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
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2017.01.16 22:52 | | # [edit]
やこ says..."スリーシスターズ様"
つくし、どういう子育てしてたんだよ、とちょっと突っ込みながら書いてました。
翼くんが頼れるオトコだったのに対して、溺愛させれて育ったつぐみはワガママに書いてみたかったんですね。

やっぱり20yearsシリーズ喜んでいただけるみたいですね。
ラブシン1本よりもアクセスも拍手も多くてビックリです。
何が起きるかわからないハラハラドキドキシリアスよりも、ホノボノしたお話のほうがみんなスキなのかな??

私はドタバタしてるコメディが好きですけどね(o^―^o)ニコ
2017.01.16 23:41 | URL | #- [edit]
やこ says..."かな様"
はじめまして、コメントありがとうございます。

こんなテキトーに書いてるお話にそこまで感じていただきまして、なんだか恐縮です(・。・;
うちは父も健在ですけど、年を取るごとに頑固になりまして、父が反抗期のように感じます。
でも親孝行はしなきゃいけないよ、とお父上を亡くされた友達によく言われますので、大事にしようと思います。

是非楽しんでいってくださいね!
今後ともよろしくお願いいたします(^▽^)/
2017.01.16 23:44 | URL | #- [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017.01.17 00:18 | | # [edit]
やこ says..."スリーシスターズ様"
コメントを拝見し、おそらくあのお宅だろうと思って見て参りました。ドンピシャの一発hitです(笑)
またか…そんな感じですね。
私は幸いネガコメの類いはほぼナシですが、中には集中攻撃される方もいらっしゃいます。
人気があればあるほどそういった思いをされています。

聞いた話ですが、花男二次界におけるネガコメのほとんどはつかつくサイトで起きているそうです。
なので私も二次小説を書き始めるときにはそれなりの覚悟を持って始めました。
多くのつかつくサイト様はそういったことがキッカケとなり執筆をやめてしまわれる方もいらっしゃるようですし、新しいつかつくサイトが生まれれば、よくも悪くも読み手は新たなサイト様に移動しますので、そこでなにかよからぬことを発言することもあるみたいです。

時にはお話に対して厳しいコメントを頂くこともありますが、それはあくまでもキャラの言動が許せないということで、逆に読み手の感情を揺さぶっていることになるので書き手としては喜ばしいことだと私は思うんですよね。
ですのでコチラもきちんと誠意をもって返信させていただくんです。

いちいち構っていてはキリがありませんし、悪質な人はこちらがイラついて反撃することを楽しんでいる節も少なからずあるでしょう。スルーが一番だと私は思って構えています。でもスゴイの来たらジタバタするかも(笑)

当該サイトの管理員様はメンタルも最強ですし(笑)対処もしっかりされています。
もやもやされているとのことですが、気にせずに二次の世界を楽しんでください。
一部の輩を気にして、楽しみが半減してはつまらないですからね(o^―^o)ニコ

恐らく我が家にも厳しい意見をお持ちの方がに紛れていると思いますが、それでも発言せずにグッと我慢してくださっていることに逆に感謝しようと思います。(意味不明)
2017.01.17 00:59 | URL | #- [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017.01.17 01:20 | | # [edit]

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