BIRTHDAY物語 後編 

救急室から通路に出た時

オレは目の前にいるヤツの顔を信じられない思いで口をパクパクしながら見た。

「お、オマエ…」
「やあ、道明寺君に牧野さん。スキー旅行かね?ん?おや、その状態じゃ旅行と言うよりはなにかの事故で運ばれたのかな?」

なんでコイツがここにいるんだ。
ここは白馬だぞ?東京じゃねぇのにどうして出くわすんだ!

「あ、木村教官。ご無沙汰してます。やだぁ、偶然ですね…実はスキー旅行中にちょっと事故がありまして…ははは」
「そうか、ボクは妻と温泉旅行に来たんだけどね、妻の具合が悪くて病院のお世話になってるんだ」
「え、奥様が?どうかなさったんですか?」
「いや、安定期で主治医の許可も下りたから旅行に来たんだけどね、どうも長旅で疲れが出たらしくて…」
「も、もしかして赤ちゃんが…」
「その通りだよ」
「うわぁ…」

牧野、オレは別の意味で『うわぁ…』と思ったぞ。
キムタクが父親…あれは『パパ』っていうより『おとっつぁん』って顔だぜ?
産まれてくるガキ…将来のためにも嫁に似ることを祈るぜ…。

「さすがの道明寺君もこれではね…少し張り切り過ぎたかな?ではお大事に…」

………

あの野郎…いつもいつも突然登場しては余計なことをペラペラと…


***


「なあ牧野。どうにか別荘に戻ることできねぇか?」
「どうだろ、大きなケガもないって先生も仰ってたし大丈夫な気もするけど」
「どうしても別荘に戻りてぇんだ、交渉してくれよ」
「わかった、ちょっと行ってくる」

そうして牧野は医者のところへ向かっていった。
一言二言話したあと、電話がかかってきたようで牧野が一瞬姿を消す。
すぐにオレの元へ戻ってくると

「道明寺、入院する必要はないってお医者様は仰ってるんだけど…」
「けど、どうした?」
「アンタの別荘の人が車持ってきてくれたんだけど、急用とかで帰っちゃったの」
「オマエ運転できる?」
「えっと…」
「なんだよ」
「別荘の人、気を使ってオートマを用意してくれたんだけどさ…」
「ああ、そうだろうな」

牧野はモジモジとしているのだが勇気を出して言葉に出した。

「左ハンドルでさ、しかも道路アイスバーンなんだって、アンタもアタシもたぶん死ぬ」
「なんだとっ!?」

なんてことだ、なんて使えねぇ使用人なんだ、クビだクビ!

実は…

この旅行はオレにとって特別な意味を持つ旅行だ。
オレはそっと右のポケットに手を添えた。
昼間雪山で大いに遊んだあと、ロマンチックな演出とともにプロポーズを…これを渡しながら…これを…

「おいっ!オレのウェアはどうしたっ!」
「えっ、ああ、いろいろ検査するのに邪魔ってことで、お医者様と看護師さんが手分けして切り刻んでた。どこ行っちゃったんだろ…」

…なんだって…

ウェアはどうでもいいんだ!
あのウェアの右ポケットには、1億のダイヤの指輪が入ってんだぞ!

「探せ!どこに持って行った!」
「え、切り刻まれちゃったし使い物にならないから処分…」

牧野が言い終る前にオレは車いすをマッハでこぎだした。

「オイッ!オレのスノボウェアはどこだ!」
「ひいっ!」

そこらへんに突っ立ってた若い医者に掴みかかった。

「す、す、すみませ…自分は存じません…」
「探せ!探せよっ!!」
「ちょっと道明寺!!」


***


「あーあ、坊ちゃんも罪なお方だねぇ、数十万円するスノーモービルが一瞬でコレだ」

年老いたひとりのオトコが潰れたスノーモービルの前に立っている。

よくこの衝撃で骨折もなく済んだもんだと呆れてもいた。
このままこの場所に置いておくわけにもいかないだろうと、ここへ来たのだが、この状態じゃお手上げだと困っていた時だった。

潰れたスノーモービルのすぐ横で、何かがキラリと光っているのを見つけて手を伸ばす。

「まったく、ガラスの破片なんか落ちてたらなんて言われるか…」

しかしよく見るとそれは破片などではなく、大きな透明の石が鎮座する指輪だった。

「おや、これはキレイだね。帰って婆さんにくれてやるか…」

老人は優しく微笑むと、潰れたスノーモービル前から立ち去った。


***


「おい、これだけか?小さな箱が中にあっただろ?」
「ひっ、い、いえ、私が見たときには何も…」
「なんだと?!オマエ中身見てネコババしやがったろっ!」
「そ…そんなっ!患者様の持ち物には決して手を出しません」
「っていうか患者の服切り刻んでおいてどの口が言うっ!!」
「ひいっ、ほ、本当です、私が見たときには何もありませんでしたっ」

それを見ていた牧野が遠目にため息をついている。
また、無理言って困らせてサイテー、とでも言いたそうな表情だ。

オレはオマエに…今夜…オマエの誕生日にプロポーズするために…!

「道明寺、もうそれくらいにしようよ。病室も準備出来たっていうしね、いこっ」

最悪だ…なんて夜なんだ…。

オレは牧野の押す車いすに乗りながら、肩を落とすしかなかった。






fin






すみません、つくしちゃんBIRTHDAY企画ですが非常にバカなお話になってしまいました。
しかもプロポーズするって重要な夜に…ね。
ホント、司スキーのくせに超ヒドイ作者です。

っていうか結局つくしちゃんあんまり出番ないし(゚Д゚;)

NFのお仲間、星香さんによると、つくしちゃんは1975年生まれなんだとか。
だとしたら今年は41歳、結構なマダムですね(笑)

でもね、きっと1億の指輪がなくたって幸せな結婚生活を送ってるはずですし、しっかり子どももいて高校生とかになってるかもしれませんよー、ということで

つくしちゃんお誕生日おめでとう!

いろんなところでひどい目に遭ってるヒロインですけど、今後ともよろしくね!









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4 Comments

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2016/12/28 (Wed) 21:27 | REPLY |   

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2016/12/29 (Thu) 00:28 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

3連続でコメントいただきましたので、こちらにまとめさせていただきました。ごめんなさい!

つくしちゃんBDイベ(謎ですけど)楽しんでいただけたようでとても嬉しいです。
ラブシンがどんどんめちゃくちゃになっていくので、楽しいお話を書いて気分を復活させました。
最高ですね、こういうバカな話(爆)

憎きキムタク(教官)もやっぱり安定の登場具合で、次に書くときはどこで対面させようかと思ったりします。

さて、問題の文春砲。
やはりテレビでは取り上げられないみたいですね。
ネットが荒れてますが…。

思うんですけど…普通人様のお通夜の席でナンパなんてしますかね?
親友のお父さんですよ??
しかも故中村勘三郎の葬儀にA●女優が参列とかとても考えにくいんですけど…勘九郎さんとか七之助さんつながり?

おーちゃんの大麻疑惑同様、そのうち消えるタチの悪い噂だと思いましょう。

潤くんとくっつくのは真央ちゃんしかダメ!

2016/12/30 (Fri) 00:04 | REPLY |   

やこ  

Happyending様

ご訪問&コメントありがとうございました!

こういうバカコメディ書いてる私、結構イキイキしています。
なので楽しく書くことができました(o^―^o)ニコ

2016/12/30 (Fri) 00:06 | REPLY |   

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