ラブ・シンドローム 50 

ご注意

本作品に登場する医大はあくまでも自治医科大学を「モデル」として参考にさせていただいているもので、在学中のカリキュラムや医学部を卒業した後の進路につきましては事実とは異なることを踏まえたうえでお話をお読みください。

専門知識に関することや、事実と異なる描写に関するクレームにはお応えできません。





花沢類が医大に入ってなんとなく興味を持ち出した医学の道だけど、英徳みたいにへんな環境じゃないし、忙しいけど充実した毎日だ。

そしてアタシが医学を志すキッカケを作った花沢類だけど、2年生になっても変わらず忙しい毎日を送っていて同じ大学内にいるとはいえなかなか顔を合わせる機会もない。

ヨレヨレだった服装はいまではきちんとしてるし、無精ひげもない。
忙しいことには変わりないが2年目の余裕なんだろうか。

大学内で出くわすことは滅多にないが、どうしても必要な資料があるときに頼ることもあるし、入学したばかりの頃はわからない分野の意見を求めることもあった。

ただ距離についてはなるべく置くことを心掛けているし、ふたりきりで会うことも滅多にない。連絡を取るときには道明寺に花沢類と話したことは隠さない。

今日の講義が終わって寮に戻ろうとした時だった。

「牧野」

背後から声をかけられ振り向くとニコニコしながら花沢類が立っている。

「同じ大学内にいてもなかなか会えないね。元気?」
「花沢類」

相変わらずの王子スマイルは健在で、一緒にいた沙織などただ目をハートにしてる。

「今日バイトは?」
「今日はないよ。花沢類も忙しそうだね。サークル、テニスだっけ?」
「うん、去年忙しくて運動できなかったからね、少しは体動かさなきゃ。牧野こそどう?解剖学で吐いてない?」

そういえば花沢類は解剖学の初期のころは気分が悪くなったと話していたっけ。
普段目にすることのできない体の内部を知ることは、アタシにとって神秘以外の何物でもなかった。

「吐かないよ、それどころか一番好きかもしれない」
「ぷっ、あんたらしい」
「それより、教えて欲しいことがあってずっと会いたかったんだよ、時間取れない?」
「何?」
「組織学!聞いたよ、去年トップだったんでしょ?アタシ全然ダメなの!いつか捕まえて聞かなきゃって思ってたんだから」

解剖学が好きな一方で、組織学はかなり苦手。毎回苦労してレポート提出している上に、なかなか勉強もはかどらない。
花沢類が1年次にトップの成績で進級したと聞いたときには、一度捕まえてわからない部分を根掘り葉掘り聞こうと思っていた。

「ああ、いいよ。いつがいい?」
「今でもいいくらいだよ」
「これから何人かと男子寮のラウンジでレポートやるけど来る?」
「心理学得意な先輩いる?」
「いるよ」
「じゃ、行く!何時から?」
「う〜ん、特に時間は決めてないからテキトーにくれば?」
「わかった、準備できたら行くね」
「ん、待ってる」

目をハートにしていた沙織は、アタシの腕をツンツンつついて

「あの~私もご一緒させてもよろしいですか?」
「別にいいよ。それじゃね、牧野」
「あ、うん。またね」

そう言って花沢類は寮に向かって歩きだした。

「すっごい…」

まったく動けずにいた沙織がようやく口を開いた。

「初めて至近距離で見た!めっちゃ美しくない?花沢先輩」
「まぁ、そうだね…。カッコいいとは思う」
「つくし…あんた完全に麻痺してるね、あんな超絶イケメン前にしてなんで普通でいられるわけ?」

アタシはちょっと考える。英徳に入ったとき、F4はカッコいい超大金持ちってことで学園を牛耳ってた。赤札なんてバカな遊びをやって喜んだり無関心でいることがバカみたいに思えた。
確か道明寺の手下に手ひどくやられかけてたアタシを助けたのが花沢類で、それから花沢類を好きになったことを思い出す。

だけど…

アタシを痛めつけようとした張本人、道明寺が今のアタシの彼氏であり、好きだった花沢類との関係はなんだか微妙。
いったいなにがどうなってこうなったんだろうと今考えても不思議で笑ってしまう。

「なにニヤニヤしてんの?つくし」
「え?別に。確かに花沢類はカッコいいね。でも彼は友達!ひと言で言えばソウルメイトかな」
「あんた男女の友情、本当に信じてるの?」
「え、沙織は信じてないの?」
「そんなのあるわけないじゃん。花沢先輩のあんたを見る目つきなんて、友達に対するものじゃないよ!さっさとくっついちゃえばいいのに」









拍手ボタンにオマケがあります
今日の運試し再び


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

あなたのポチが力になります
応援お願いします!
関連記事

0 Comments

Leave a comment