Beautiful days

花より男子を愛する自称永遠の乙女の妄想  ※現在、ブロとも申請を休止中
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ラブ・シンドローム 41

ま…間に合いました。







ドキドキが止まらない。


面接試験が終わってアタシは今電車の中にいる。
考えてきた志望の動機だったり、入学して何をしたいかとかそういうことはきちんと答えられたと思う。不安要素と言えば少しインパクトが足りなかったことかもしれないけど、無難に面接できたと思う。


あとは学力と面接の総合評価で合否が決まるわけだけど、合格発表までこんなモヤモヤした気持ちで過ごさなければならないかと思うと本当に気が重い。
元々自分で志望したわけじゃないから高校受験ですら緊張しなかったけど、今回は違う。
東京で2~3名の合格という狭き門、たぶん受験者全員が同じ思いで臨んだはず。


ここで終わっても後悔はない。
できる限りのことはやったつもりだ。どうなるかはわからないけど、二次試験に進むことができれば、今度は小論文と面接試験。
合格したときの為に対策も練っておかないと。


ただ一次試験はとりあえずなんとか終わったし、今日は道明寺の誕生日について考えよう。


1月30日31日―
アイツの19回目の誕生日。


「ずいぶん大人っぽい19歳だよね」


クスリと笑うと、今度は何をプレゼントしようかと頭を悩ませる。


手作りは喜んでもらえたけど、正直トラウマになりそう。
かといってアタシの買えるものなんてたかが知れてるし、第一世界的大企業の御曹司がアタシの買ったモノなんて喜ぶとは思えない。


二次試験のことを考えるとNYに行くなんてどうやっても無理だし、クリスマス休暇で日本に戻ってきたばかりなのを考えると、日本に再び戻ってくるなんてできるわけがない。


ただ18歳の誕生日パーティがあれだけ豪華だったことを考えると、もしかすると…という望みを持っていたりする。
でも日本で誕生日パーティをするなら事前に知らせが来るだろうし、もし直接アタシのところに連絡が来なくても。西門さんや美作さんあたりから声がかかることはあるだろう。


「はぁ…」


ひとつため息をつく。
やっぱり今のアタシが道明寺に何かをプレゼントするなんて難しいのかな…。


「…野」


なんだかもう何も考えたくないのはとりあえず一次試験が終わったからかな。


「牧野…」


ほら、幻聴まで聞こえる始末だよ。
下を向いていろいろ考えていると、人にぶつかりそうになった。


「牧野。お疲れ様」


顔を上げてアタシを呼ぶ声の主を見ると、ニコリと笑う花沢類がいた。




***




「なによ、教えてくれないなんていじわるだよね」


花沢類に促されて近くのカフェに入ったのだが、連絡のひとつもしなかったこともあって何を話していいものか悩んでいたりする。


「だって入試だよ?そう簡単に受験生に内部事情を話すわけにはいかないし」
「じゃあ試験後に受験生に声かけるのはいいわけ?」


その問いには答えない。
恐らくそれも禁止事項なんだろう。


道明寺に贈るプレゼントについて考えていたアタシの目の前に現われた花沢類は、面接官の教授の手伝いで東京の会場のスタッフとしてあの場にいたらしい。
会場では出くわさないようにしていたようだが、午前中で他のスタッフと交代したため急いでアタシを追いかけてきたということらしい。


「どう?手応えは?」
「余裕で合格しそうだよ、なんて大学側の人間にドヤ顔で話して落ちたら恥ずかしいから何も言いません!」
「なにそれ、別にいいじゃん」
「正直、自信ないもん」
「牧野らしくないね、司には?連絡したの?」


この人から『司』なんて名前を聞くとアタシの誕生日パーティを思い出してギクリとしてしまう。
どう答えていいか悩んでいると


「ああ、気にすることないよ。あの時はお酒も入っててちょっと気が大きくなったっていうのもあるし」
「そうなんだ…」
「まあでも言ったことは本当だけどね」
「そういうこと、言わないでよ」


花沢類はアタシの気持ちなんてお構いなしに言葉を続けた。


「あんたが司をどう思ってて、司も同じ気持ちだってことは高校の時からずっとわかってるよ。ただ、あんなことくらいでカーッとなる司にはちょっとガッカリだったけどね」
「もう、本当にやめてほしい」
「でもさ、なんていうかあんたのことを好きなのは本当だし、好きだからって司から横取りしようってわけじゃないんだ。ただ…」


突然目の前に現われたと思ったらカフェに連れて行かれて心の準備もないままいきなり先日の一件の話をされる。正直言って気が重すぎる。


「俺があんたを想う気持ちを否定してほしくないんだ」
「そんなこと…」


このあとなんて言葉を続ければいいのだろう。
『どうぞご自由に』というわけにもいかないし『やめてほしい』というわけにもいかない。


「前にも言ったと思うけどさ、俺はあんたが笑っててくれればそれでいいんだ。それを人は不毛だって言うかもしれないけど、本気でそうなんだから仕方ない」
「花沢類…」



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