ラブ・シンドローム 3 

「さて、なんてメールしよう…」

本当なら電話で声を聞きたい。声だけじゃなく目の前にあるテレビ電話で元気でやってる様子を見たい。
日本のほうが13時間進んでいるNYとの時差。※注
なんとなく考え事をしていたら0時を過ぎていた。
ということはNYは午前11時。とても忙しくて電話で声を聞くどころじゃないだろう。

忙しくても必ず見るから毎日メールしろなんて言われたけどさ、返事はなかなか来ないしメールする内容も毎日似たようなもんだ。
ある意味生存確認みたいな状態になってる気がする。

『眠れなくてまだ起きてます、会いたいよ』

送信ボタンを押そうとして削除。

『日本は晴れでした』

そんなの別に知りたくないよね で、削除。

『花沢類が英徳から離れて医学部のある地方の大学にいきます』

削除…。
これはアタシがいうことじゃない。

そもそも花沢物産の御曹司が反乱をおこした(?)わけだから道明寺になんていち早く情報がいってるはずだよね。

『ただいま東京は0時を過ぎたところです。なんとなく眠れなかったけどそろそろ寝るね。忙しいだろうけど睡眠と食事は基本だよ』

よし、これでいこう。
携帯電話のメール送信ボタンを押し布団に潜りこむ。

まだ離れてからそんなに経ってないのになんだか何年も会ってないような気持ちになる。
毎日会ってたから仕方ないのかな。

そんなことを考えていると、枕元に置いた携帯電話のバイブ音が聞こえた。
メールの受信音じゃないな…。

画面を見ると【オレ様】と表示されている。
急いで起き上がって通話ボタンを押す。

「もしもし?」
『おお、オレだ』
「うん」
『眠れねぇのか?』
「もう寝るよ。妨害するつもり?」
『なんだと?心配事でもあるのかと思って電話してやってんのに』
「うそだよ、ごめんごめん」

ああ、オレ様節。なんて心地いいんだろう。
バカみたいな罵り合いでさえ嬉しく感じてしまうなんて、本当に惚れてるんだなと思う。

「そっちは11時過ぎた頃だよね?こんな時間に大丈夫なの?」
『ああ、5分くらいだけどな。これから英会話のレッスンだとかいってたな』
「ああ英語は壊滅的だったもんね。英語圏で暮らしてれば日本語より上手になるかもよ」
『うるせぇ』
「どう?元気でやってる?」
『まあな。ああ、そういやこないだ静に会ったぜ。アイツも忙しいみてぇでろくに話もできなかったけどな、イキイキしてやがった』

静さん。
フランスを拠点に恵まれた環境を捨てて自立の道を選んだアタシの憧れの女性で花沢類の初恋の人。

そっか、相変わらず忙しく飛び回ってるんだね。

『なんだか誰よりもオマエのこと気にしてたぞ』
「アタシの?」
『ああ。そろそろ進路を決める時期だから忙しくても相談に乗ってやれって』

なんなんだろう、あの人。
アタシなんてあの人の人生の中でほんのちょっとだけ登場したちっぽけな存在だっていうのに、進路を考える時期まで気遣ってくれてたなんて。

「そっか、ありがたいよ。そんなこと気にしててくれてたなんて」
『オレもちゃんと気にしてるからな』
「はいはい、わかってるよ」
『英徳大学4年分の学費はオレが支払うからそのまま進めばいい』

…。

なにそれ。
前にもそんなこと言ってたけどさ。そんなこと望んでないのに。
変わってないっちゃ変わってないんだけどさ、アタシが相談したいのはそういうことじゃないんだよね。

『なんだよ、黙りこんで』
「いや、そういう援助はしてほしくない」
『やべ、わりぃ。タイムリミットだ。また電話する。メールしろよ!』

そういってプツリと切れる電話。
なんだかすっきりしないし虚しさだけが残った気がする。
アタシのやりたいことを聞くんじゃなくて、大学の学費を支払う?まぁ道明寺らしいって言えばらしいけど。

再び布団に入ると、静さんのことを思い浮かべる。
もしこのまま道明寺に強引に英徳大学へ進学させられるようなことになれば、法学部がいいかなと思ったことはあった。
刑事事件や企業弁護なんかにも興味があるし、道明寺に釣り合うようないいオンナになるにはピッタリの職業だとも思う。

ただ昼間花沢類の話を聞いて、なんとなくだけど医学の世界がどんなものなのか少し興味が沸いたのも事実。

彼がこれから医学部でどんなことを学んでいき、どんな医者になるのかとても興味がある。

「医学部か…」

そんなことを考えているうちにいつの間にか眠りに落ちていた。




※3月中旬~11月上旬はサマータイムのため時差13時間 冬時間は14時間になる(Time-j.net より)









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8 Comments

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2016/10/18 (Tue) 09:36 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

お待たせいたしました。
3話目でやっと電話による登場です。
えー飢えちゃってました?どうしよう、これからまたもうちょっと司登場しなくなちゃうんですけど…。
次に登場するときには超絶カッコよくキュン死できるはずなので楽しみにお待ちください。

ジャケ写見ましたよ!リクエストいただいてハンコにもしました。
潤ちゃんがかわいくってかわいくて。
ポケットに入れて持ち運びたいです。

2016/10/18 (Tue) 12:02 | REPLY |   

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2016/10/18 (Tue) 13:38 | REPLY |   

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2016/10/18 (Tue) 15:50 | REPLY |   

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2016/10/18 (Tue) 15:51 | REPLY |   

やこ  

kachi様

「やこが類つく書いてる疑惑」が出てしまったので、司くん登場です。

まだ3話ですのでね、どうなるかわからないけど引き続き読んでいただけると嬉しいです。
みんなをhappyにしましょうね(o^―^o)ニコ

私ももう結構なオバサンになりましてね、最近は中学生やら高校生がその辺でイチャコラしているのを見て
「コラーっ、家帰って勉強しろーっ」って笛吹きたくなる衝動と戦っておりますよ。

今回、このお話を書かせてもらって改めて気づいたのは主人公(つくし)が高校生ってことで、まさに私が笛吹いてやろうとしている世代なんですよね。なのに、この大人っぽさ。

絶対に高校生じゃないって(笑)

kachiさんが仰るように、二次の世界で司くんがめっちゃカッコイイのはつくしがKY過ぎてどんどん器が大きくなるからじゃないかと思うことがあります。
っていうか、原作でも結構衝撃の忍耐力を披露してますけどね。

DAIGOくんと北川景子ちゃんのお話、知らなかったので大変勉強になりました。

今回のお話はこれまで公開してきたお話とはちょっと違うテイストで書いていきたいと思っています。
先が見えないような長さにはしないようにしたいので、どうか最後までお付き合いくださませ。

あ、先ほどkachi様よりメッセージが届きましたが1行だけでした。
何かエラーが起きたのかと思いこちらに連絡させていただきました。

2016/10/18 (Tue) 17:02 | REPLY |   

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2016/10/18 (Tue) 21:22 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

はんこはね、「100嵐」でリクエストをいただきましてすでに公開中です。

http://yakoori6171976.blog.fc2.com/blog-entry-61.html

すごく細かい作業でしたので、ちょっと自信ないですけど潤君はカワイクできたと思います。
逆にニノとおーちゃんはヒドイですけどね。

アルバム、早くこないかな♥

2016/10/18 (Tue) 23:07 | REPLY |   

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