Beautiful days

花より男子を愛する自称永遠の乙女の妄想  ※現在、ブロとも申請を休止中
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リオデジャネイロ狂想曲 9

約1か月ぶりの更新です。大変長らくお待たせしました。



8月16日。西門と花沢類の3m板飛び込みの予選が行われる。

コーチがプールサイドで待機しているがつくしはスタッフとともに観客席にいた。
スタッフと言っても道明寺司が付けているボディガードなのだが、今日はいつもの黒い服ではなくラフな格好でつくしの両脇を固めている。

厳しい戦いになるのはどの競技でも同じことだが、予選を通過するのは至難の業で厳しいだろうと言われている。


「予選突破できるかわかんねーけどさ、楽しんでくるから」

「水の色、マシになっててよかったよ」


会場に着いたときのふたりの緊張感のなさにつくしは驚きを隠せなかったが、ガチガチに緊張しすぎても結果が出ないことはふたりとも重々承知の上で臨んでいるはず。とにかくメダル云々よりもふたりらしい技を出してほしいと願うばかりだ。

観客席でふたりの順番を待っていると、右側に座っていたボディガードが席を立ち、もうひとつ隣の席へ座りなおした。するとジャージ姿の道明寺司が左側からやってきて、つくしの前を通って空いた席に腰を下ろした。


「よお」

「あ、どうも」


特に怪我している右足を引きずっている様子はないが大丈夫なのだろうかとつくしは思っていた。暴漢に襲われた時のことを思い出すと今でも体が震えてくる。


「あの、大丈夫なんですか?足」

「ああ、なんともねーけど痛み止めは打ってる」

「トレーニングとかできてるんですか?」

「試合前だからな、軽くやるくれーだけど」


すると会場が一斉に騒がしくなる。選手がプールに登場したようで、西門や花沢類の姿も見えた。花沢類は相変わらずマイペースでときおり欠伸を噛み殺す様子だし、西門に至っては会場にいる金髪美女に投げキッスなどしている。


「余裕だな、アイツ等」


その様子を見ていた道明寺司は苦笑いしながらそう呟いた。いつもしかめっ面ばかりで
笑った顔など滅多に見たことがなかったが、苦笑いとはいえ微笑む顔をみたつくしは一瞬ドキリとして固まった。

―なんて美しい顔なんだろう―

不覚にもしばらくそのまま見とれてしまった。


「あのふたり、メダルは厳しいのか?」

「え?」


突然話かけられてつくしは動揺してしまう。西門は世界ランキングで言うと19位、花沢類は22位なので予選突破は厳しいと言われている。しかも今日はかなりの強風で、練習でバランスを崩す上位選手も多いように見受けられた。


「ベストを尽くすとふたりとも言ってました」

「そうか」


会場内にアナウンスが響き、いよいよ飛び込みチームのオリンピックが始まった。ずっと一緒に練習をしてきたふたり、どうか頑張って欲しいと願うばかりだ。


***


「楽しかったけどね、やっぱ悔しいかも」

「風もかなり強かったけどよ、まぁ運も実力のうちじゃね?」

「お前等、4年後に向けて猛特訓だからな!」


結局ふたりの予選突破は叶わなかった。ふたりなりに悔しさを滲ませてはいるが悔いのないダイブができたと思いたい。ふたりとともにサポートをしてきた美作コーチも悔しさは隠せない様子だ。
ホテルに戻るなりふたりは寛ぎ始め、西門はナンパモード、花沢類は睡眠モードに切り替わりつつある。


「じゃ牧野、あとは頼んだぞ」

「うん、あんたならできるよ」


いよいよつくしの出場する10m高飛び込みは明日17日15時から予選が始まる。ふたりは悔しさを滲ませてはいるものの、もともとは自由人である。つくしと美作コーチを残して姿を消した。


「おい牧野。今日の様子だと板よりも風の影響受けそうだな」

「そうですね、さすがに今日の風はひどかったです」

「とにかく今夜は最終調整をしよう。俺なりに風対策も練っておくから今日はゆっくり休め」

「ハイ」


いよいよ明日。
飛び込みを始めた時から夢にまで見たオリンピック。手が届くのならメダルを日本に持ち帰りたいとつくしは拳を握りしめた。



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2 Comments

says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016.09.16 13:42 | | # [edit]
やこ says..."悠香様"
詳しいことは調査できていません、ごめんなさいww。

でも今回の飛込競技は風にかなり左右されたようです。
私自身、競泳経験者ですが屋外プールは競技に関わらず天候に左右されますので、高飛び込みは相当影響されると思います。

一度10メートルの飛び込み台に立ったことがありますが、下から見上げるのと見下ろすのでは雲泥の差(司風にいうと「うんどろ」の差?)です。

度胸がある人しか経験できない一発勝負の世界。なんとなくつくしにぴったりだと思い書き始めたお話です。
2016.09.17 00:13 | URL | #- [edit]

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