20years 恋が始まる 最終話 

「俺と付き合ってほしい」


ついに禁断の扉を開け、これまで好きになってはいけないと思っていた目の前の女性に思いを打ち明けた。
両親のように20年以上お互いを思い続けることができるんだろうか、もし別れる時が来たらどうしたらいいんだ。

だが気持ちを打ち明けた瞬間に不思議とそんな気持ちはなくなった。

―俺たちに別れが訪れるはずがない―

気づいたばかりだと言うのに、今は死ぬまでお互いを愛するだろうという自信しかない。


「私だって男の人の気持ちはわからないよ。だからヤキモチ妬いたり迷惑かけることだっていっぱいあると思う」
「可奈…」
「でも私の気持ちはずっと変わらないって自信はあるの!たとえ翼くんの気持ちが私から離れても…」


次の瞬間、可奈の唇に温かいものが触れた。


「つ、翼くん!」


カフェの店内でキスをされたことに、これまで冷静さを保っていた可奈は顔を真っ赤にして翼を見る。
当の翼はと言えば、恥ずかしがることもなく優しい眼差しで可奈を見つめている。


「行こう、可奈」


そういうと可奈の手を引き会社へと向かっていった。



***



「見た?司」
「何を?」
「翼と可奈ちゃん」


仕事をしていた司に用事があって社長室に来ていたつくしはニコニコしながらそう言った。
社員が驚きの表情で見つめる中、手を繋いで戻ってきた翼と可奈を見たつくしが、まるで自分のことのように喜ぶ姿が司には不思議だった。


「オマエ、平気なのか?」
「何が?」
「息子取られたんだぞ?なんでそんな嬉しそうな顔してられんだ?」


つくしは思った。司はつぐみに彼氏ができた時のことを想像して言ってるな、と。


「取られたってアンタ…。そりゃ、寂しい気持ちがないって言ったらウソになるけどさ、相手は可奈ちゃんだよ?可愛いし性格もいいし、なによりアタシと気が合う!」
「そんなもんか、母親って」
「そりゃそうよ、翼はいつまでも傍にいるわけじゃない。つぐみだってそうだよ。いつかはイケメン見つけてアタシたちのところから巣立っていくの!」


急に司は寂しそうな表情になる。自信たっぷりなカリスマ経営者も娘の将来を考えるとさすがに動揺を隠せない。


「最後には夫婦ふたりだけになるんだよ。つぐみだってあっという間だからね!覚悟しておいてよイケメンパパさん」
「…」


寂しそうな表情を見せていた司の顔がパッと明るくなり、つくしを見つめた。
何かヤバイ状況を敏感に感じ取ったつくしは


「では失礼します、社長」


と言って社長室を出た。


「いいかつくし、最後は夫婦ふたりだとオマエは確かに言ったよな?オレも同感だ。覚悟してろよ」



***



まさか自分が父親のように他人の目も気にせず好きな女性の手を引いて歩く日がくるなんて、と翼は苦笑いしながらエレベーターに乗っていた。
右手はしっかりと可奈の手を握っている。

フロアに着いて扉が開くと無言で可奈を引っ張り専務室を目指す。

そんな光景を見る社員の驚いた顔。
誰もが『やっぱり社長の息子なんだ』と思ってるに違いない、と冷やかに思う自分もどこかにいる。


「せ、専務…」


自分から告白するほど積極的だった可奈も翼の態度に驚くばかり。
専務室に着くと素早く鍵をかけ、


「午後の予定は?」


と可奈に聞く。


「書類の決済と、16時に鹿児島ステーションに電話…です」
「じゃあ、ちょっとこうしてようか」


翼は可奈の両腕を耳の高さまで持ち上げ、そのまま壁に押し付けた。
ふたりの距離は5センチ。

―まさか父さんみたいに専務室を私的に使う日が来るとは―

翼と可奈の距離は3センチ、2センチとどんどん近づいていく。
可奈はそれを受け入れるように目を閉じる。


「ん…」


チュッと軽く唇を重ねると可奈は少しだけ目を開け翼を見つめる。
そんな可奈を見て翼は微笑みながら今度はもう少し深く唇を重ねてみる。


「お互い…もっと…好きになろう」
「うん…」


近すぎてお互いに素直になれなかったふたりの恋は始まった。
家族がどうとか会社がどうだとかそんなことは今のふたりには関係ない。

幸せになることだけを信じて進んで行こう、一緒に。


fin.






あとがき


「リオデジャネイロ狂想曲」の更新が滞ってしまうために投稿した作品ですが、結局途中お休みする羽目になってしまい本当にごめんなさい…。

何度かお話したとは思いますが、いつか「起業編」が書けるといいなと思って途中まで書いていたものに手を加え、さらにお話を付け足すことでやっと完結いたしました。
驚いたのは、「つかつく」の息子であるオリキャラの翼が主人公のお話なのに、読んでくださる方、拍手ボタンを押してくださる方が多かったことです。

「Take it easy!」は自分でもあまり満足できる作品とは言えず、今でもあまり読み返したいと思えるものではありません。
始めたばかりだったのに投げ出したくて仕方なかった時に、FantasticdaysからBeautifuldaysへの引っ越しと3サイトの統合作業で「20years」の存在に気づき、このシリーズを書いていた時とても楽しかったことを思い出しました。
読み返してみるとその時の気持ちが蘇ってくるんですよね。
公開するのはすごく恥ずかしかったけど、すごく楽しかった。

今後もこのシリーズは短編とかで書いていけたらいいなと思っています。
が、なんせ本編で結婚して新たにつぐみも産まれて翼も彼女ができてしまいました。
どの時期のお話を書いていいのか…。
正直つかつくがジジババになるお話は難しいかな。
かといってふたりが離れている間はお話が面白くはない。
今更ですが、離れている期間を10年くらいにしておけばよかったと後悔しています(笑)
ま、ゆっくり考えてみましょう!

さて、「20years 恋が始まる」も無事(かどうかはわかりませんが)に完結することができました。
なので、いい加減「リオデジャネイロ狂想曲」を完結に向けて執筆していきたいと思います。
オリンピックもだいぶ前に終わってしまいましたし、パラリンピックも中盤戦です。
全然タイムリーじゃないですけど、完結はさせますのでお付き合いいただければ嬉しいです。

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8 Comments

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2016/09/15 (Thu) 10:12 | REPLY |   

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2016/09/15 (Thu) 13:45 | REPLY |   

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2016/09/15 (Thu) 14:52 | REPLY |   

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2016/09/15 (Thu) 16:37 | REPLY |   

やこ  

miumiu:『姫』 様

次の連載……
姫は鬼なの?(笑)

いやー、ほんとつかつくなのに読んでくれてどうもありがとう。
ま、おいらの場合、つかつくっていうよりも司で遊んでる感じがするけどw

姫のサポートあってのBeautifuldaysです。これからもよろしくね。

2016/09/15 (Thu) 21:36 | REPLY |   

やこ  

セージ様

特に意識して書いたわけじゃないんですが、しっかりとふたりのDNAを受け継いでいた翼くんでした。
オリキャラ主役なのに、多くの皆さんに愛していただけたようで、つかつくの幸せあっての翼話って感じだったのかなって思ったりしています。

つぐみが年頃になるとき、つかつくはアラ還で翼もオッサンになってますね。小学生の初恋?もう忘れましたww

このシリーズはまた書きたいと思っています。作戦を練りますのでもう少々お待ちくださいね。

2016/09/15 (Thu) 21:40 | REPLY |   

やこ  

スリーシスターズ様

最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。
うん、結局専務室は秘密のお部屋になってしまうんでしょうかね?ご想像にお任せします。
このシリーズはまた書きますよ!でも作戦練らねきゃね。
頑張ります。

リア友でMJファンはひとりかな。アラ還の熱狂的おーちゃんファン、姉妹(姉MJ妹ニノ)で嵐狂い、隣の嫁は相葉ちゃんと翔くんのダブル愛です。
翔君は知的だし、相葉ちゃんは性格が悪いわけないオーラでまくりだし、基本嵐は全員好きです。

2016/09/15 (Thu) 21:46 | REPLY |   

やこ  

ぐみあり様

キタ――(゚∀゚)――!!

娘ちゃんの執念、届きましたね❤
羨ましい、羨ましすぎるww

養女にならないか聞いてもらえませんかね?(笑)

生MJ、是非感想をお聞かせください。24時間365日いつでもお待ちしております。

いいないいな、ほんとにいいなぁ。

生MJの汗の匂いを嗅ぎたいです(変態)

2016/09/15 (Thu) 21:49 | REPLY |   

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