Beautiful days

花より男子を愛する自称永遠の乙女の妄想  ※現在、ブロとも申請を休止中
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リオデジャネイロ狂想曲 7

「水が緑色って本当だったんだ…」


面白いものを見るように花沢類はプールを見つめていた。

薬品不足とフィルターの故障が原因だと聞いていたし、日本でも古いプールで大会や練習を行うことはあるからあまり気にならないかと思っていた。

だけどこれほど奇麗な施設にも関わらず一夜にして水が緑に変色するなど不思議で仕方ない。

しかも大丈夫と言われていた水球とシンクロのプールも変色しはじめている。

つくしと西門、花沢類はため息をついた。


「とりあえず、今日は飛び込んでもいいんですよね?」

「お前…よくあんな水に飛び込む気になれんな」


勘弁してくれというジェスチャーの西門に対して、闘志をみなぎらせるつくし。

緑色の水を両手で掬い、指の間から流してみたりと遊ぶ花沢類。

気分が悪そうに口をおさえて打ち合わせをする美作コーチ。

4人はそれぞれの思い(?)を胸に、リオデジャネイロバッハ地区「マリアレンク水泳センター」のプールサイドに立つ。

すでに着替えを済ませたつくしはジャージを脱ぎ捨て、バッグに無造作にしまい込むと飛び込み台の階段を登って行く。

一番高い10m地点に立ったつくしは屋外会場の時この場所から見える景色が楽しみで仕方ないのだが、この会場は観客席と目線が同じ位置にある。

しかも下を見ると前方に見える競泳用プールよりも明らかに緑が濃い。

苦笑いしながら体をほぐしてリラックスすると、台のギリギリに足を置く。

つくしにしかできない「前宙返り4回半抱え型」通称「109C」を決めてメダルを日本に持ち帰るのがつくしの目標であり夢である。

目を閉じ精神を集中して呼吸を止める。


「!」


ところがつくしは目を開けてそのまま後ろへ下がってしまう。


「おい、アイツどうしたんだ?」

「さあ?緑の水が怖くなった?」


下にいるふたりも不思議そうにつくしを見上げた。


―ダメ!余計なこと考えちゃ!―


飛び込もうと思った瞬間につくしの頭によぎったのは道明寺司の顔だった。


『オマエ、オレと付き合えよ』


そう自信たっぷりにつくしに言い放った道明寺司の顔が突然浮かんだのである。

つくしは道明寺司が金メダルなど取るとは思っていない。

だがあの自信満々な顔が気になって仕方なかった。


―なんてことなの、直前になってこんな!―


つくしはもう一度台の先端に立ち、意識を集中させる。

勢いをつけてジャンプし、真っ逆さまにプールへ飛び込んだ。


「さすがだな」

「うん、水しぶき全然立ってない」


一部始終を見守っていたふたりは思わず呟いた。

つくしは浮きあがってふたりの待つプールサイドに向かう。


「どう?プールの感じ」


花沢類がつくしに向かって声をかける。


「ねえ…ネットでいってたとおり、この水…アレのニオイがするんだけど…」



***



司は自分のために集まったスタッフで世界最高のチームを作り上げた。

世界ランキングでは6位と微妙だが、もはやそれも過去の話。

オリンピックチャンピオンを育てたコーチ陣に、食事や生活面などをサポートするスタッフなど、完璧な体勢が集結している。

おそらくメダルは間違いない。

問題はその色だ。

世界ランキングなど大した練習もせずにして得た単なる数値にしかすぎない。

自分に最も似合う色、それを取り牧野つくしを手に入れることしか今は考えていない。

スパーリングを終えると当然のことながら選手村ではなく高級ホテルのスイートルームへと向かう。

司がホテルへ到着すると、ちょうど飛び込みチームもホテルに到着したところだった。

場違いなジャージ姿の若者集団を見つけると、司はつくしの姿を探し出し近寄ろうとした。

すると、つくしの背後から現地の人間と思われる男がひとり、つくしに向かって走って来るのが見えた。


「牧野っ!」


司の声に顔を向けたつくしは、背後から近づく男に気づいていない。


―クソっ、ボディガードはなにしてやがる!―


全力でつくしに駆け寄り、男に殴りかかった時だった。


「キャー!!!」

「おいっ!」


つくしに近づいた男に掴みかかった瞬間、司は右足に鋭い痛みを感じていた。




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6 Comments

says..."管理人のみ閲覧できます"
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2016.08.18 21:16 | | # [edit]
やこ says..."悠香様"
ハイ、もちろん金メダル級のオレ様ですね。
いえ、ダイアモンドメダルでもいいくらいでございます。

えへっ(・∀・)ニヤ

2016.08.18 21:37 | URL | #- [edit]
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2016.08.18 23:47 | | # [edit]
やこ says..."悠香様"
悠香様のコメントを読んで私が爆笑していましました。
たくさんネタをお持ちなので、いつかその案、いただきます。

つくしの為になんでもやりかねないオレ様、実在していたらドン引きなんでしょうかね?
美貌で許されちゃうのかしら…。
2016.08.19 00:13 | URL | #- [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
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2016.08.19 05:21 | | # [edit]
やこ says..."悠香様"
まあ、そんな過去がおありだったとは。

二次小説は書かれないんですか~?
かなり豊富なネタをお持ちなので是非お仲間に(笑)
2016.08.20 02:16 | URL | #- [edit]

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