Beautiful days

花より男子を愛する自称永遠の乙女の妄想  ※現在、ブロとも申請を休止中
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リオデジャネイロ狂想曲 3


『まるさん』こと道明寺司はサンパウロの合宿地に先に到着しつくし達よりも先に怪しすぎるバスを降りた。

しかしあれほどの美貌を持った日本人初の男子テコンドー代表選手をマスコミが放っておくわけがなかった。

しかもサンパウロの空港で報道陣をガン無視して注目度の低い高飛び込み選手を庇いそのままバスへ乗り込ませた。

当然日本で注目となりその日のワイドショーを賑わせた。


「道明寺さん!牧野選手とはどういうご関係ですか?」

「全く接点のない競技の選手同士がどこで知り合われたんでしょうか?」


そんな質問が司の周囲を飛び交う。

司はそれらの質問には答えることなくトレーニングに汗を流した。


***


『日本人選手としては初となる男子テコンドー代表の道明寺司選手、いや~カッコいいですね~。男性から見てもゾクゾクするほどの色気です』

『成績のほうもメダルが期待される選手ですね、プライベートも絶好調とは本当に羨しい!』



「おい、つくしちゃん。お前何やらかした?」


3m板飛び込み代表の男子選手西門総二郎と花沢類とはサンパウロのスイミングセンターで合流した。

練習前にタブレットで日本のワイドショーを見ていた総二郎はつくしに向かってニヤニヤと声をかけた。


「なんにもしてないし」


本当に何もしていないのだから答えようがない。
壮行会でプライベートの名刺を渡された後に接触は一切なく空港でコーチともども拉致されただけだ。


「で、合宿地のホテルまで変更させたれたって?ついでに俺達も?」

「そうみたい。そりゃ泊まる予定だったホテル、結構怪しい感じだったしありがたいけどさ、大きなスポンサーもないのにアタシたちみたいなチームが移動して大丈夫なのかすっごく不安」

「ああ、それなら道明寺側からスポンサー契約の申し出がさっきあった。ほら、バスにいた黒服の西田さんだっけ?あの人から」


あのメンツの中で最もマトモそうだった西田。
つくしはいろんな意味で頼れそうだと思って名刺に①と記入した。
道明寺はどうでもいいが、この人の名刺は手離してはならないと思ったから。


「で、なんで全く関係ないテコンドーチームが、俺達にテコ入れしてきたわけ?」


一部始終を静に聞いていた花沢類がボソリと言う。


「牧野に惚れたからだろ?」

「は?」

「芸能リポーターやワイドショーが仰る通りだろう。金持ち坊ちゃんが財力にモノを言わせて気に入った女を囲おうとしてる、しかも会場も近けりゃ競技日程もほぼ一緒だし」


総二郎はおどけて言うが、つくしは気持ち悪さを感じずにはいられなかった。


「で、なんで俺達まで一緒に宿変更なわけ?」

「類、そりゃアレだ。一応道明寺司も世間一般で言う常識を重視したんじゃねぇの?もしくはカモフラージュのつもりとか」


つくしはスッキリしない顔で飛び込み台の階段を登って行く。

ウォーミングアップの3m飛び板に着くと、台の先端でジャンプしながら総二郎に言った。


「意味がわかんない。よく初対面の人にそんなことできるよね」


そういうとプールへ向かって飛び込んだ。


***


バシッ、バシッ

サンドバッグに蹴りを入れながら道明寺司はひとりのオンナを思っていた。

何故か分からないが強烈に惹かれてしまい、飛び込みチームごとサポートしてしまった。

スタッフから渡されたタオルで汗を拭きながら愛しいオンナを想う。

気の強そうなところ、飛び出そうなほど大きな瞳。

司は壮行会で見た彼女に一目惚れをしてしまった。

だが恋愛などまともにしてきたことがない司は女性にどうアプローチしていいかよくわからない。

これまで自分に近づく女と言えば、司の美貌と財力、注目株のテコンドー選手という表の顔に魅了されたものばかりだった。

日本中が自分に注目し、チヤホヤとされる中で、自分を知らずに興味も示さない女がいることに驚き、惹かれてしまったのである。

気が付けば壮行会で滅多に渡すことのないプライベートな名刺を渡していた。

すぐに向こうから連絡が来ると思っていたが、彼女からは一向に連絡が来ない。


―オレだってこれだけ忙しいんだ。きっと飛び込みチームも忙しいんだろう―


そう思って明日を待つ。


―今日も来なかったな、競泳やシンクロみてぇに花形競技じゃねぇからいろいろ大変なのかもしれねぇな―


つくしが受け取った名刺を渡された日にすぐ③の名刺入れに入れられているとも知らずに限界まで我慢した。

しびれを切らした司はついに事務方のトップである西田を呼び出し、


「おいっ、牧野つくしについて調べろ!交友関係やオトコの影があるかどうかもだ!それから大会の日程と宿泊地なんかもすべて調べろ。連盟が高飛び込みにどれだけ力を入れているかとかも忘れるな」

「それをお調べになっていかがされるおつもりですか?」


執着と言ってもおかしくないほどの興奮ぶりに驚いた西田は尋ねた。


「なんでもいいから調べろ!」

「も、もしや司様…牧野選手に好意を…」


西田の言葉に一瞬にして真っ赤になる司。トーンがいきなり低くなったのを確認すると、西田は表情を硬くした。


「かしこまりました。全力でお調べし、司様の幸せを掴んで参ります」

「お、おう。頼んだぞ」


一回り以上も年下で、幼い頃から見守ってきた弟のような存在。

ターゲットにされたつくしに申し訳ないと思いつつも、かわいい司のお願いを聞き入れたことから『牧野つくし捕獲作戦』は実行に移されたのである。



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2 Comments

says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016.08.13 07:21 | | # [edit]
やこ says..."悠香様"
ハイ、西田さんの名刺は私でもしっかり永久保存します!

そしてオレ様からの愛も一緒に受けとりましょう!
2016.08.13 22:27 | URL | #- [edit]

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