20years それから 最終話 


新しく事業を始めるなら東京に戻ったほうがいいという司の提案で、20年ちょっと暮らした土地から司が残しておいたマンションに4人で移ってきた。これまでの暮らしを手放すのは辛いこともあったが、家族は一緒に暮らすべきと決心。

「4人じゃ狭いかもしんねーけどよ、今までよりはマシだろ?」
マシどころじゃない。今まで3LDKの借家に家族4人で生活していたことを考えれば贅沢すぎるマンションに居心地が悪いったらない。
「アタシ…アンタのその感覚がわかんないわ。今までどんなこと考えてあの借家で暮らしてたのよ」

「ま、しばらく収入はゼロだが家賃がかかるわけじゃねーし、4人なんとか食ってくだけの蓄えはあるからなんとかやっていけるだろ?」
「そうだねっ!アタシもパート探さなきゃっ。ああっ、つぐみの保育園も探さなきゃ!」
オマエまだ働く気かよ、と司がため息をつく。ちょっとくらいゆっくりすればいいのに、と翼も言いかけるが、母さんらしいなと言葉を飲み込み出かける支度をするために自分の部屋に入った。

「父さんお待たせ」
学生時代に作ったスーツを着た翼が奥の部屋から顔を出した。今日はあいさつ回りに出かけるって言ってたっけ。もっといいスーツを作ってやればよかったとつくしが思っていると、

「オイ、翼ちょっと来いよ」
今となってはすっかり見慣れたピンクのエプロンを外しふたり寝室へ入って行く。ああでもないこうでもないとなにやら話す声がリビングまで聞こえてきた。

しばらくして司がスーツを着て寝室から出てくると、思わずつくしは惚れ惚れと眺めてしまった。
(やっぱスーツ姿のコイツって腹立つくらいイケてるわ…)

tuka.jpg


「惚れ直したか?」
図星をつかれ、ドギマギするつくしの頬に、まぁちょっと待ってろヨと言ってチュッとキスをする。

「なんかオレじゃないみたいなんだけど…」
さっきとは違うスーツを着て寝室から出てきた翼を見てポカンとしてしまった。

「オレの若いころの。いいヤツ新調するとオマエにブン殴られっからな。体型もほとんど同じだし、型は古いけどさっきのよりマシだろ?」
髪型以外はそっくりなイケメン親子を眺めてつくしはしばらく言葉を発することもできなかった。

「アンタよく…そんな前のモノ残してたわね…」
やっとのことで出てきた言葉にニヤリをしながら司が言う。

「ああ、オレも全部処分してたと思ってたんだけどな。どうもお袋が時々手入れをしといてくれてたみてーで、虫にも食われないで残ってた」
「お義母さんが?」
かつては『鉄の女』と呼ばれ恐れられた道明寺楓。財閥解体後に引退し、今は司の姉の椿とともに日本とロスを行き来しながら生活している。

「以前はタマがすべてやってたけどよ、タマもいねーし」

つくしが東京を離れている間にタマさんがこの世を去っていたと聞いたのは司と暮らし始めてしばらくしてからだった。
最後まで司とつくしのことを心配していたという。
『鉄の女』の意外な思いやりと、心配させたまま旅立たせてしまったタマを思い、目頭があつくなったつくしに
「今度、4人で墓参りにでもいってみっか」
ポンポンと頭を軽くたたいた。

「さて、じゃ翼。そろそろ出かけるか?」
「OK!父さん」

高校時代に出会い、40歳を過ぎた今でも変わらず愛してるオトコと、そのオトコとの間に産まれた愛する息子。
20年間離れ離れで生きてきたふたりは今日、人生の新たなスタートを切ろうとしている。

「いってらっしゃい!」
笑顔でふたりを送りだす。

tuba.jpg


「行ってきます!」
少し恥ずかしそうな顔をしつつも元気な声で翼はマンションを出て行った。

閉まりかけたドアが突然開くとつくしの唇に何かが重なる。

チュッ

「充電完了。行ってくる」



~Fin~






オマケ

「今日行くとこって一方通行だらけで狭い道が多いトコだったよね?ウチの車ちょっとデカめだけどオレ田舎道しか走ったことねーし心配なんだけど…あっ、電車で移動するの?」
「イヤ、車で向かう」

「父さん運転してくれんの?」
「バカ。お前も都会の道に少しは慣れろよ。まぁ心配するこたねーけどな」
そういって車のキーを翼に向かって放り投げた。
落としそうになりながらもなんとかキャッチしたキーを見て、

「マジかよ…」

翼が小学生時代に作った土星の絵のプラ版キーホルダーを見て翼は盛大なため息をついた。

「ブランドスーツを着こなしたデカいオトコふたりが軽自動車で挨拶回りって…」
今世紀最大級のミスマッチだな。






あとがき&つぶやき


約3週間、ブログのスタートからお付き合いいただき誠にありがとうございました。

本当に、本当に

情けないお話で申し訳ありませんっ!Σ(゚д゚lll)


私にもっと力があれば、「母子家庭編」「父子起業編」「つぐみ成長編」とかイロイロ書いてみたかったんですけどね。

母子家庭編→司いないしイマイチつまんなそう

つぐみ成長編→そもそも女子を産んでないのでどうしていいかわからない

パラレル→想像すらできない

唯一父子起業編くらいはいけそうかな?と思ってはみたんですけどね。

カッコよく広告代理店とかを起業させたかった…。

まずは勉強するとこから始めなきゃなんないっ!!(←これでも一応はるか昔に広告代理店に勤務経験はある)

完全に意欲喪失…


というわけで、大人しくイラスト描いときます(・・;)


最終話でイラスト2枚ブチ込みました。

どちらもMJなんですけど、立ってるほうが司でアップが翼。(のイメージ)

アップのほうはね、くちを「ムギュっ」として笑いをこらえてる的な画像なんですけどね。

ただ鼻の下の長いニイチャンになっちゃった(・・;)ゴメンMJ


唯一お話書いてよかった、と思えたのは自分の考える司&翼のイメージとピッタリの元画像が探せて見つかったこと。

これはご依頼をいただいて描いたものとでは全く違うことに初めて気が付きました。

ご依頼いただいて献上した二次作家さんたちはきっと「違うんだよなぁ」って思ってただろうに(笑)

ごめんなさい<(_ _)>


とりあえず読みたいとおっしゃってくださった方もいましたので、公開できてよかったです。



最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。









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7 Comments

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2016/04/21 (Thu) 12:39 | REPLY |   

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2016/04/21 (Thu) 13:48 | REPLY |   

やこ  

**長→*み*ち様

ぐえっ、そんなん無理むりムリ!!!
今、超難産のR小話書いてますけど、2日くらい停滞してます(´;ω;`)ウゥゥ
明日、ムフフなお話がアップされますので、お楽しみに(・∀・)ニヤニヤ

2016/04/21 (Thu) 16:41 | REPLY |   

やこ  

6fa※ily様

皆勤賞でしたか!ありがとうございます。
小説はイラストよりもド素人ですのでお恥ずかしい…。

2016/04/21 (Thu) 16:42 | REPLY |   

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2016/04/22 (Fri) 09:24 | REPLY |   

やこ  

☆香様

いやいや、やっぱり小説は書くより読むもの!
機会があればねぇ…あるのかな( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
へっぽこなお話にお付き合いいただきありがとうございました!

2016/04/22 (Fri) 14:15 | REPLY |   

やこ  

ni*a様(拍手コメ返信)

楽しみにしていてくださりありがとうございました!
全く新しいお話は難しいかもしれませんね。やるとしたらさらに番外編を増やすか、本格的に続編を書くか。
どちらも期待せずにお待ちくださいませ!

2016/04/22 (Fri) 14:19 | REPLY |   

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