Beautiful days

花より男子を愛する自称永遠の乙女の妄想  ※現在、ブロとも申請を休止中
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Take it easy! 第18話


中島和樹 27歳 N大学経営学部卒 PSシステムキッチン(株)営業第2課 チーフ。

入社6年目で異例のチーフ昇格、牧野の直属の上司で教育係…か。



「優秀なオトコみたいだな」

「そのようです」

「ご苦労さん、下がってくれ」



西田から、牧野の周囲にオトコの影があるようだと聞いて、早速調査をするとすぐにひとりの人物が浮かび上がった。

それが中島だ。

PSシステムキッチンは住宅設備機器部門では老舗で、歴史もあり安定した経営状態の大手企業。

牧野が入社を希望していると聞いたときに人事担当に圧力をかけようかと調査を始めたが、牧野は想像以上に優秀で採用されることがすでに決まっていたようだ。

オレを待つ間、必死で勉強したんだろうと思うと、結婚を阻止できなかった自分を殴りたくなる。

敢えてスパイは送り込まず、牧野のことはダチの松岡から聞く程度にしていた。

どうも直属の上司からかなりのスパルタ教育を受けているらしく、会うたびに愚痴を言っているという話は聞いていた。

オレもビジネスの世界に身を置く者。

仕事で一人前になるためにはある程度の厳しい現実だって必要だ。

牧野なら必ずやり遂げられるはず。

特に口を出すことなく、遠くで見守ることに決めていた。

ところがこの上司が、仕事とは関係のないことで牧野に接触し始めているという怪情報が舞い込んだ。

こんな情報を敢えて流したのは誰だ?

目的はなんだ?


大して面白味もない報告書を机の引き出しに入れたところで執務室に西田が入ってきた。



「支社長、本日はお屋敷のほうにお戻りになってください」

「屋敷に?」



結婚してからは一度も戻っていないが、友里子がひとりで暮らしている。



「あのオンナが何か言ってるのか?」

「いえ、今日は使用人頭が是非支社長にお会いしたいと」



タマか…。

結婚式の時に顔を見て以来だが、まだ元気にやってんだな。



「わかった、屋敷に戻る。今日は何時までに切り上げられそうだ?」

「本日は鹿島商事の会長との会食がキャンセルになりましたので、18時以降の予定はございません」

「車の手配ができたら呼んでくれ。屋敷に向かう」

「かしこまりました」



***



今日は幸いなことにチーフが研修で1日会社にいなかった。

おかげで単独で営業先回りをすることになり、厳しい面もあったが気楽に仕事ができた。

チーフが不在時の教育係は大山さんが買って出てくれたが、特に大きな問題があったわけではないから報告書と営業日誌を大山さんに提出して早めに会社を出た。

まったく…。

相手が類だったからよかったようなもんだけど、たまたまかかってきたどこの誰かも知らない電話の相手に、仮にも付き合いたいと思ってるオンナを引き渡したりする?

いったい何考えてんのよ。

まあ一番悪いのは後さき考えずに酔っ払って記憶を飛ばしたアタシだけどさ。

なんだかスッキリしないな…。

あ、そう言えば先日給料日だったんだよね。

なんか美味しいものでも食べて帰っちゃおうかな。

うーん、食べてなくなっちゃうものよりもドーンとご褒美でも買おうかしら。

でもひとりで外食したって楽しくないし、いつものスーパーで食材を買いこんで、たまには自炊しようかな。

やっぱり自分は貧乏症だと内心笑いながら改札を通る。

帰宅ラッシュ時間内にしてはそれほど人が多いわけでもなく、次の電車を待つ人がアタシの前を通り過ぎる光景をなんとなく眺めていた。



「あ、落ちたぞ!」



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