Take it easy! 第3話 


アタシ、確かチーフの鬼指導に腹を立てて、自分の家でヤケ酒飲もうとしてたよね?

なんでここにいるんだろ??

目の前には日々しごかれて顔も見たくないと思うオトコが座っている。



今朝寝坊して車で通勤したらしく、最寄りの駅まで迎えに行くと言われたアタシはなぜか今ここにいる。

最初は優紀と食事でもしてこのオトコの悪口を言う気満々だった。

なのにその張本人と食事しようとしてるってどういうこと?



「なんだよ、俺じゃ不満か」

「いえ…そういうわけじゃ」



仮にも相手は上司。

あからさまに嫌な顔をするわけにもいかず、かといってフレンドリーになれるわけもない。

時間よ、早くこの拷問から解放して。



「おいおい、そんなに構えるなよ」

「構えてなんか…」



やっぱりイヤイヤながら付いてきた不快感が顔に出ているのかしら。

カラカラになった喉を潤すためにグラスの水を飲みほした。



「こういう店、嫌?」



いやいや、アンタとここにいること自体がイヤなんだってば。



「いえ、好きですよ」



鬼チーフにしてはなかなかいい店を知ってる。

まあ見た目はいいオトコだし着ているスーツなんかも安物ではなさそうだ。センスはいいのかもしれない。



「俺もさ、いつもお前をしごいて良心が痛まないわけじゃないんだけどな」

「そうなんですか?」



何を今更白々しい!

もう必要以上の話はできるだけスルーしたい。



「一応悪いなとは思っててさ。今日も俺の勘違いで怒鳴りつけたし。だから今日はお詫びと…あとちょっと話もあってな」

「なんですか?話って」



職場ならきちんと対応するが、今は勤務時間外。

話があるならさっさと終わらせてほしいし、帰ってやりたいこともある。



「まあ、そう構えるなよ。とりあえず食おう」



スーパーの安酒がイタリアンに化けたわけだし、話が済んだら退散しよう。

しばらくチーフがひとりで仕事の話をしてるのを適当に相槌を打ちながら流していた。



「悪いな、仕事の話ばっかで」

「いえ、慣れてますから」



少し表情が困ったように見えた。

冷たくし過ぎたかな。



「お前さ、俺のことそんなにキライ?」

「キライってわけじゃ…」



お互いにプライベートなことはあまり話さないし、知りたいとも思わなかった。

恐くてイヤな上司だとは思っても、この人のプライベートは全く知らない。

好きか嫌いかと言われればまた別の話だ。



「じゃあさ、俺と付き合ってみる?」









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1 Comments

千冬  

イ*ン様(拍手)

コメントありがとうございます!
軽快ですか??
さて今はシリアスに進むかコメディかは決めておりません。
が、この千冬、コメディが大好きでございます。
またお越しくださいませ。
今後ともよろしくお願いいたします!

2016/07/06 (Wed) 12:22 | REPLY |   

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