Breathless by 星香 

私の大好きな嵐の曲「Breathless」を聴いた星香さんより、

「司にピッタリな曲を見つけたよ!」

と連絡をいただきまして、

「やこさん書いて❤」

「これはニノの映画の主題歌だ!!断る!」

といつもの漫才が始まりました。

でお話をお断りし続けているお詫びにプレゼントしたワタクシのアゲハのイラストが

こんなモノになって帰ってきました~(∩´∀`)∩


星さん、つかつく書けるじゃん(笑)


というわけでお楽しみください。

できればニノの顔は一瞬忘れてMJ&と坊ちゃんを思い浮かべ、さらに「Breathless」を聴きながら(笑)

別館ではイラスト付きです。(お話は一緒)

ブロとも、パスワードの配布を受けている方は、そちらもお楽しみください。


ではどうぞ!










暴漢がナイフを片手に襲いかかってくる。
護衛の間をすり抜け、罵倒と共に司に向かって真っ直ぐに…。


-昔、こんな事があった…? あの時は……?

一人の女の顔が思い浮かんだ瞬間、目の前が真っ暗になった。









「…かさ…。つかさ…。司…!」

枕元で自分の名を呼ぶ声に、うっすらと眼を開ける。
飛び込んで来たのは、今にも泣き出しそうな、椿の顔。

「……ね……え…ちゃん………?」
「……ッ……。……良かった……」

司にくるりと背を向け、眼に浮かんだものを軽く拭うと、再び司の方に顔を向ける。

「…司。どう? 気分は…?」
「…き…ぶん…?」


言われてみれば身体が重い。そして頭も。
痛みは感じないが、代わりに麻酔特有の痺れに似た感覚が全身を支配する。
ぼんやりとする頭。その中で思い浮かんだ顔。
泣くか、怒るかが多い中、時折見せるとびきりの笑顔。


「…きの…?」
「え…?」
「まきの…? ……そうだ、牧野……!」
「…司…?」
「…姉ちゃん! 牧野はどうなった…?」
「…ちょ……つ…司……」

椿に縋るように尋ねるが、当の椿は困惑した表情を浮かべるだけ。
それが、司の不安感を煽る。

「どうしたんだよ! 姉ちゃん!
…まさか…あいつ、大怪我を……?」

わき起こる嫌な予感に、司の顔が文字通り真っ青になる。
それと同様に、困惑していた椿もその表情を曇らせた。


「……司……。今がいつだか判る?」
「? 姉ちゃん……?」
「…貴方が大河原さんの島に行って刺されてから…もう7年が経っているのよ」
「…なに…言っているんだよ…。姉ちゃん…」

司が力なく笑う。冗談は止せと言うように。
久しぶりに人間らしい表情を見せる弟に、椿は重い口を開いた。








窓際でカーテンが揺れる。白いカーテン。
風と共に揺らめくカーテンの隙間から、午後の柔らかい陽射しが部屋に差し込む。
見るとはなしにそれを見つめる。
思い返すのは、先程椿から聞いた事実。


高校生だった筈の司は、既に25歳。
道明寺ホールディングスの副社長として、世界各国を飛び回り仕事をしていた。
つくしを遠ざけて。つくしから遠ざかって。

つくしに関することだけ記憶を無くした司は、相当手酷くつくしを追い返したらしい。
流石に椿は、オブラートに包んで離していたが、自分の性格は司自身が一番よく判っている。
気に入らない者に対し、どういった仕打ちをするのかを。


「…それで…ね。司…」
驚き声が出ない司に、言いにくい事なのか口籠もる。
もうここまで来たら、何も隠して欲しくはない。
司が先を促す。


「…つくしちゃん。来月結婚するらしいの」




その後椿が何を言ったのか、あまり覚えてはいない。
その後入ってきた医師が何かしていたことにも、只されるがまま。
無表情のまま静かに一言、一人にしてくれと告げ、どのくらいの時間が経過したのか…。


白いカーテンが揺れる。
白い…それが、純白のウエディングドレスを纏うつくしの姿に重なる。


-来月、結婚するらしいの。それに…司、貴方にも縁談が…

椿が取引先令嬢の名を口にし告げる。
もう遅い、諦めろと。


-誰と? 何故?
司の脳裏に次から次へ、疑問符が浮かび上がる中、端から否定の声も上がる。

-当然だろう? お前は忘れているだろうが、牧野への仕打ちは許されるものではない。
-7年も経てば人は変わる。その気持ちも。


「は…はは……」

司が笑う。乾いた笑い。
僅かだったその声が、次第に大きくなる。


「…副社長…!?」

隣室に控えていた西田が飛び込んで来る。
狂ったかのように笑う司に駆け寄るが、司は只、笑い続けるだけ。
後から入ってきた第2秘書に医者を呼ぶよう告げた時、狂気染みた笑い声がぴたりと止む。

「…医者なんか要らねぇ…」
「…副社長…?」
「……日本へ行く。調整しろ」
「…は…?」

思わず否定の声を上げようとした西田の声が止まる。
司は先程までの無気力な状態でも、狂気に満ちた状態でも無かった。
鋭い眼光。狙った獲物を逃さない、猛禽類を思わせるそれ。
滅多な事で驚かない西田ですら、司のその眼に一瞬怯んだ。


「…明日…夜には…」
「遅い」
「…畏まりました。…調整致します」

一礼し、西田が病室を出る。




「…上等だ…」

司が独り言ちる。
例えつくしが地の果てまで逃げても、何処まで追い掛ける。
あの時そう決めた。その気持ちに変化はない。
ならばそうすればいい。
何処までも追い掛け、つくしを手に入れる。
司の口角が上がる。


その眼は、ただ一点だけを見据えていた。




-fin-












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2 Comments

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2016/07/16 (Sat) 16:10 | REPLY |   

やこ  

かなた様

コメントありがとうございます!

本当に、司じゃなかったらストーカーですね、いや司でもストーカーですけど(笑)

さすが星香さん、というお話でございました(o^―^o)

2016/07/16 (Sat) 23:46 | REPLY |   

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