Whenever You Call  リハビリ小説第一弾 ③ 

セキュリティが心配だから引っ越せと言っても決して首を縦に振らなかったつくし。
階段を一段一段と上がっていくだけで、ここで起きた様々なことが思い出された。

喧嘩をしたのも、一緒にいろんなことに喜び合ったのも、初めてふたりで朝を迎えたのもここだった。

洒落た表札などと呼べるものなどなく、薄く黄ばんだプレートに書かれた『牧野』の文字。

ー よかった、まだ住んでる ー

右手の人差し指で押そうとしたボタン。
こんなものでさえ『インターフォン』なのか『呼び鈴』なのか『チャイム』なのかで笑ったものだ。

ー わかってるって、これは『ブザー』だろ? ー

『ブザー』を押そうと指を出してはみたものの、なかなか押すことができない自分。
ここまできて何を躊躇することがあるのだろう?

だが

引き返すなら今しかない。
良くも悪くも押してしまえば後には戻れない。
心なしか司の指先は震えていた。

どれだけそうしていただろうか。
司にはその時間が1時間にも2時間にも思えた。

その時だった

「道明寺…?」

久々に聞く声だった。









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