Whenever You Call  リハビリ小説第一弾 ② 

『そこ』へ向かうまでの時間、司はずっと目を閉じていた。

何に怯えているのか。
なぜ怯えているのか。

何度も何度もめぐらせた想いである。

また今度にしよう。
いつでも来られる。

何度も何度も自分にした言い訳だ。

出ない答え?

そうじゃない。
答えはいつだって出ているのに、答える勇気がなかっただけだ。

このままでは「今度」は永遠に訪れない。
得体のしれないものに怯える必要はない。

車はゆっくりとスピードを落としていく。
いよいよ『その時』が近づいていく。

鼓動は速度を上げていき、心なしか呼吸も荒い。

まるで思春期のガキみてぇだな、と心の中で思っていると車が停まった。

「…様、司様」
「…ん」

西田の声に気づくと、ゆっくりと目をあける。

ずいぶんと久しぶりに見た光景であった。
向かって右手に見える店の名前が、最後に来た時と変わっている。

窓ガラスを下げて『そこ』を見上げてみる。

洗濯物が風になびいている。

「相変わらず、ビンボーくせぇな」

ひとことつぶやくと、車を降りた。

『今度』はもう来ない 怯える必要なんてもともとなかった。
これから『そこ』で何が起きたとしても、それでいいじゃないか。

モヤモヤとした気持ちに、決着をつけよう。









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