Answer 63 

ここからセリフだらけに突入です。
読みにくかったらごめんなさい…





「おかえり、司、牧野」
「つくし!!ごめん、本当にごめんね!!あたしがちゃんとしなかったから…」
「滋さん…そんなに自分を責めないで。大丈夫だよ」

道明寺東京法人ビルの副社長室に戻ると、副社長室の司のデスクには滋が、専務である雪乃のデスクには類が座っていて、4人を迎え入れた。
滋はつくしの姿を見るなり、泣きながらつくしを抱きしめて自分の不手際を謝った。

「お前等…ここで何してんだ?」
「ご挨拶だね司。総二郎とあきらがお前たちを助けに行って体張ってる間、俺と大河原だってかなり頑張ってたんだよ?」
「司…。つくしと司が拉致されて専務の雪乃さんだっけ?あの人まで行方がわからなくなった道明寺をね…あたしたちでなんとかできないかって。でね…ごめん、全部は守りきれなくて…子会社のいくつかを西田さんと相談して花沢物産と大河原で買収させてもらったの。これは時期を見て道明寺に買い戻してもらいたいんだ…」
「滋…」
「株価は…それなりに落ち込んだけど、今少し落ち着いてきたとこ。あまり大きな声じゃ言えないこともちょっとね。ま、心配するほどのことじゃないから安心して」
「悪かったな…類」
「復帰早々大変だとは思うけど、まあそれくらいは頑張って。あ、それから…」
「類君、あたしが言うよ」
「うん」
「あたし達ができるのはここまで。楓社長が亡くなったことは…これから道明寺が…司が対応しなくちゃいけないの。会社のピンチに助っ人することはできても、そこまでは介入できないの。だから…またちょっと大変になるかもしれない…」

拉致される直前、楓の死去の公表の時期をどうするかは幹部の中でも割れていた。司は株価の下落対応と同時に処理すべきだと主張したが、自らが拉致されたことによって滋と類が必死で守ったものを再び失うリスクが生まれてしまったことになる。

「ああ、それは俺が背負うべきものだからな…」

少し後ろで滋とF4のやり取りを見守っていたつくしは、4人のお陰で会社がなんとか持ちこたえたことを心から喜んでいた。
しかしこれからのことを思うと手放しでは喜べない。
つくしは楓の代理人であり、これから楓に託された遺言書を公開し執行しなければならないからである。司が何を考えているのかはつくしにはわからないが、雪乃との結婚を前提とした遺言がある以上、司には苦しみを伴うものになるだろう。

「それじゃ、俺たちはそろそろ戻るぜ?あとはなんとか耐えろ、司」
「ああ、いろいろ悪かったな、近いうちに連絡する」

複雑な表情で自分たちに向き合う司。そしてその司を切ない眼差しで見つめるつくし。
総二郎はそんなふたりを見て、自分の出る幕はないと晴れ晴れとした気分で副社長室を後にした。

4人が部屋を出ていく姿をなんとなく眺めていたつくしだが、我に返って部屋の外に出ようとする。

「じゃあ、あたしもこれで…」
「牧野」

司が出て行こうと背中を向けるつくしに声をかける。
その声は、別れてから自分を憎み続けことあるごとに心無い言葉をぶつけてきたそれとは異なるものだった。

「座れよ。少し話そうぜ」
「うん…」

誰もいなくなった副社長室にはふたりきり。
危機を乗り切ってこの場にいるわけではあったが、基本的なわだかまりが解けたわけではない。
楓の提案は単なるきっかけにすぎず、弁護士になりたいという夢を叶えるために司を裏切り切り捨てたのはつくし自身だ。
楓はつくしが経営を学ぶと言うのであれば司との関係を認めて将来を約束するという選択肢も準備していた。それなのにつくし自身が司との将来を自ら捨ててしまった。

もし自分が弁護士の夢を捨て、司との将来を選んでいればこんなことにはならなかったかもしれない。
それを思うと胸が苦しかった。

「俺たちのことも含めて…なんでこんなことになっちまったんだろうな」

沈黙を破ったのは司のほうだった。

「お袋があいつを…久我を婚約者に選ばなけりゃならないと思わせるほどダメな息子だったんだだろうな、俺は」
「そんな…」
「いや、いいんだ。俺自身、力不足は痛いほどわかってる。実際、会社の危機だってのにとっ捕まって何もできねぇし…。まあ結果的に相手がアレだったわけだが、あいつは相当なキレ者で俺なんか足元にも及ばないくらいできる女だった。そんな女をあてがわなけりゃならないくらい、お袋は俺を信頼してなかったわけだし、親子の情もなかったわけだな」
「それは…違よ、そうじゃない」
「まあ散々バカなことして、見捨てられてたくらいだしな。息子だから後継者にすんのは仕方ねぇけど、自分の代わりにキレ者残して逝くなんて、よほどの出来損ない扱いだな」

パンッ

乾いた音が室内に響いた。
司は自分の左頬に手を添え、つくしは自分の右手を見つめている。
つくしは無意識に司の頬を叩いていた。

「違う、違うよ道明寺。社長は…あんたのお母さんは…あんたと椿お姉さんのことを誰よりも愛してた。お世辞にも器用な愛し方じゃなかったかもしれないけど、世の中のお母さん達と全く変わらない。ほんとに愛してたんだよ?」









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2018/12/26 (Wed) 18:27 | REPLY |   

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